再婚や死別などによって、血縁のない親子、兄弟などが一緒に暮らす家族「ステップファミリー」。
子どもへの虐待に伴うけがが問題になる場合もあり、養父母からの虐待が問題視される向きがあるかもしれない。
このたび家族構成とけがとの関係を検証したところ、例えばステップファミリーのような家族構成そのものはけがのリスクとは無縁と分かった。
リスクを上げる要因は別にあった。対策を考えるためには大切な視点を提供してくれそうだ。
家族構成は子どものけがに影響?
オーストラリアのアドレード大学を中心とした研究グループが、子どものトラウマ対策に関する専門誌ジャーナル・オブ・チャイルド・アンド・アドレセント・トラウマ誌2015年9月号で報告した。
研究グループによると、ステップファミリーでは養父母による子どもの虐待が問題となる場合はある。1980年代から「シンデレラ効果」と呼ばれている。
家族構成と子どものけがはどう関係するのか。研究グループはその関連を探っている。
「ステップファミリー」はリスク高いが
検証したところ、実際に、家族構成とけがの発生には関係があると分かった。子どものけがが多かったのは、まさにステップファミリーとなっていた。
重要なのは、家族構成そのものはけがのリスクと無縁というところ。子どものけがのリスクを増やす条件は別個に考えられた。
例えば、「引っ越し」がリスクを高めていた。引っ越しが多い子どもは、学校や友人関係が引っ越しの都度がらりと変わる。近所付き合いも薄くなり、日頃子どもを見守ってくれる近所の人も少なくなる。けがの増加につながっていた。
引越しは、家族構成にかかわらず、子どものけがのリスクを上げる要因となっており、ステップファミリーは、引っ越し回数が多かった。
母親がアル中だとけがしやすい
さらに、子どものけがのリスクを増やすもう1つの条件として見つかったのは、アルコール問題を抱える母親。母親がアルコール中毒の場合、子どもに目が届かなくなり、それが原因で子どものけがの程度や回数が増えていた。
やはり母親のアルコール中毒は、家族構成にかかわらず子どものけがのリスクを上げた。
問題とすべきはアルコール中毒に伴う家庭崩壊となっていた。
男の子もけがしやすい
このほか男の子は女の子よりも行動が積極的で活発なため、けがをするリスクが高かった。
行動障害のある子どもはけがが多かった。男の子の方が女の子よりも注意欠如・多動症(AD/HD)が多く見られ、男の子でけがのリスクが高い要因の1つとなっていると考えられた。
研究グループは、今後、里子の家族、片親の家族、養子縁組した家族などに調査範囲を広げ、家族構成が子どものけがのリスクに与える影響について、研究をより深めていきたいと考えている。
偏見にとらわれず、問題をより分けて、対策を打つのが必要なのだろう。