血のつながらない家族の子に「けが」多い、でも「ステップファミリー」そのものは原因ではない
繰り返す引越しや母親のアル中が、けがにつながる

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Lindsay Shaver/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般)

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Lindsay Shaver/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般

 再婚や死別などによって、血縁のない親子、兄弟などが一緒に暮らす家族「ステップファミリー」。

 子どもへの虐待に伴うけがが問題になる場合もあり、養父母からの虐待が問題視される向きがあるかもしれない。

 このたび家族構成とけがとの関係を検証したところ、例えばステップファミリーのような家族構成そのものはけがのリスクとは無縁と分かった。

 リスクを上げる要因は別にあった。対策を考えるためには大切な視点を提供してくれそうだ。

家族構成は子どものけがに影響?

 オーストラリアのアドレード大学を中心とした研究グループが、子どものトラウマ対策に関する専門誌ジャーナル・オブ・チャイルド・アンド・アドレセント・トラウマ誌2015年9月号で報告した。

 研究グループによると、ステップファミリーでは養父母による子どもの虐待が問題となる場合はある。1980年代から「シンデレラ効果」と呼ばれている。

 家族構成と子どものけがはどう関係するのか。研究グループはその関連を探っている。

「ステップファミリー」はリスク高いが

 検証したところ、実際に、家族構成とけがの発生には関係があると分かった。子どものけがが多かったのは、まさにステップファミリーとなっていた。

 重要なのは、家族構成そのものはけがのリスクと無縁というところ。子どものけがのリスクを増やす条件は別個に考えられた。

 例えば、「引っ越し」がリスクを高めていた。引っ越しが多い子どもは、学校や友人関係が引っ越しの都度がらりと変わる。近所付き合いも薄くなり、日頃子どもを見守ってくれる近所の人も少なくなる。けがの増加につながっていた。

 引越しは、家族構成にかかわらず、子どものけがのリスクを上げる要因となっており、ステップファミリーは、引っ越し回数が多かった。

母親がアル中だとけがしやすい

 さらに、子どものけがのリスクを増やすもう1つの条件として見つかったのは、アルコール問題を抱える母親。母親がアルコール中毒の場合、子どもに目が届かなくなり、それが原因で子どものけがの程度や回数が増えていた。

 やはり母親のアルコール中毒は、家族構成にかかわらず子どものけがのリスクを上げた。

 問題とすべきはアルコール中毒に伴う家庭崩壊となっていた。

男の子もけがしやすい

 このほか男の子は女の子よりも行動が積極的で活発なため、けがをするリスクが高かった。

 行動障害のある子どもはけがが多かった。男の子の方が女の子よりも注意欠如・多動症(AD/HD)が多く見られ、男の子でけがのリスクが高い要因の1つとなっていると考えられた。

 研究グループは、今後、里子の家族、片親の家族、養子縁組した家族などに調査範囲を広げ、家族構成が子どものけがのリスクに与える影響について、研究をより深めていきたいと考えている。

 偏見にとらわれず、問題をより分けて、対策を打つのが必要なのだろう。

文献情報

The Cinderella effect: child injury in stepfamilies

Malvasl C et al. Predictors of Child Injuriy in Biological and Stepfamilies. J Child Adresc Trauma. 2015; 8: 149-159.

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