ローマ=山尾有紀恵
2015年9月9日10時56分
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は8日、長い時間と費用がかかる教会の婚姻無効の手続きを簡略化すると表明した。社会的な弱者に寄り添う教会を目指す法王の改革の一環。
カトリックは離婚を認めていない。教会の審判で結婚の無効が認定されなければ、離婚した人は罪を負っているとみなされ、礼拝などで一部の儀式に参加できない。教会での再婚にも、婚姻無効の認定を得ていることが条件となる。こうした制度が、欧州などでの信者の教会離れの一因と指摘されている。
フランシスコ法王は、「結婚とは男女がしっかり結ばれること」とする教会の従来の家族観を堅持する。一方、カトリックが禁止する同性愛者や妊娠中絶をした女性などの悩みや苦しみに寄り添う姿勢も示している。今月初めにも、12月に始まるカトリックの「いつくしみの特別聖年」にあたり、中絶した女性信者に「許し」を与える裁量を神父らに認めると表明した。(ローマ=山尾有紀恵)
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朝日新聞国際報道部
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