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 来年の米大統領選に立候補表明しているヒラリー・クリントン氏は8日、国務長官時代に私用メールアドレスを公務に使っていた問題で「誤りだった。申し訳なかった」と述べ、初めて謝罪した。同氏はこれまで謝罪を拒んできたが、支持率や好感度の低下に歯止めがかからず、姿勢を転換したとみられる。

 クリントン氏は8日の米ABCの番組で「申し訳なかった。私に責任がある」と発言した。4日の別のインタビューでは「最善の選択ではなかった」としながら明確な謝罪はせず、これまでも「私がしたことは認められていたこと」などと正当性を主張していたが、姿勢を一転させた。

 世論調査ではクリントン氏について「うそつき」などマイナスの印象が上位を占める。全米に先駆けて候補者選びが行われる重要州のニューハンプシャー州内でNBCが実施し今月公表した直近の世論調査では、前回は首位だったクリントン氏が32%で2位に転落。バーニー・サンダース上院議員が41%を獲得して首位に躍り出るなど、クリントン氏の支持下落が顕著になっている。

 また8日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は米情報機関幹部の話として、クリントン氏が私用アドレスを使ってやりとりしたメールの中に北朝鮮の核兵器開発に関するものなど2点の「極秘」情報が含まれていたと報じた。「私用アドレスを使ったことで他国に情報が漏洩(ろうえい)した可能性がある」と共和党が批判を強めるのは必至だ。(ワシントン=佐藤武嗣)