ペロリンガ星の宇宙人がやっている謎のカフェが渋谷にあった
渋谷には個性的なカフェが多く点在している。
今回は、「ゲームができるカフェがある」と聞いて渋谷のカフェ「ペロリンガ」に足を運んだのだが……、どうも様子がおかしかった。
メニューに「うんこ」がある宇宙人カフェ「ペロリンガ」
ペロリンガ
渋谷駅から徒歩約5分のカフェ「ペロリンガ」。
着いてみると、なんだか様子がおかしい。
▲「ペロリンガ」の入り口
たしかに店内にはゲームがあった。ファミコンが置いてあり、年季の入った攻略本も揃っている。原色をふんだんに使ったカラフルなお店の奥には、アーケードゲームもあるようだ。
▲ファミコンの攻略本と言えばコレ!
▲派手なインテリアに馴染むアーケード筐体
だが、店内を見れば見るほど、増してくる違和感。
ん……? ペロリンガ星……?
首を傾げていると、奥のほうから現れた店長らしき人物が、おもむろに口を開いた。
店長「この店はペロリンガ星で人気のチェーン店なんですよ。僕がペロリンガ星人で初めて地球に降り立ち、第一号店をこの渋谷に開きました」
店長である目の前のペロリンガ星人は続ける。
店長「この姿? 今は人間の形に擬態しているんです。普段は全身オレンジ色のサイケな姿なんですよ。このフィギュアのように」
店長「これ、ペロリンガ星人のフィギュアなんです」
私「……」
さらに詳しく聞いてみると、ペロリンガ星は、銀河系のペガスタ星雲のあたりにあり、UFOで一週間くらいかかるとのこと。地球からは遠すぎて望遠鏡では見えないようだ。
よく見たら、メニューもところどころ地球には存在しない名称のものが混ざっている。「マンドリルカラーイ」(1500ペロ)は地球で言うところのマトンカレー、「ポラオ」(700ペロ)はペロリンガ星の炊き込みご飯、「ネルネルネラナイ」(1000ペロ)はラザニア的な何かだという。
なお、1ペロ=1円らしい。UFOで一週間もかかる遠方なのに、日本の1円とペロリンガの1円が同じ価値なのはなんと奇跡的なことであろうか。
▲メニューにPのマークがついているのがペロリンガ料理。Eのマークがついているのはアース料理(地球の料理)だそう
メニューを眺めていると、捨て置けない一文が目に入った。
「☆うんこあります」
……うんこ、とは?
▲うんこがあるらしい
店長「うんこは、これです」
と言いながら店長(ペロリンガ星人)は、オレンジ色の入れ物を持ってきた。
▲うんこ?
どうやら、店にいる「カネゴン」という宇宙人のうんこのことらしい。
▲カネゴン
▲カネゴンがうんこをしている様子
▲カネゴンのうんこそのもの
まだお店に入って店長と話して、メニューを見てみただけだが、いかがだろうか? ついてこられているだろうか? 書いている筆者は、すでに何もかもがよく分からない。
気を取り直して、何か一つ注文してみることにした。頼んでみたのは、「のんたすの血」(700ペロ)。
店長「のんたす、とは僕のことなのですが、これは僕の血です。厨房で注射器を使って血を抜いてきました。味は、地球で言うところのトマトジュースによく似ています」
▲抜きたてほやほやの血液
▲血……
▲味は確かにトマトジュースに似てる
ところで、ペロリンガ星のあれこれのインパクトにいささか霞んでしまっているが、この店でできることといえばゲーム。アーケードゲームもファミコンも、店長が地球に来て熱中したもの。間違ってもペロリンガ星のゲームではないので安心である。
▲ただし、ファミコンが繋いであるテレビはペロリンガ星から持ってきたもの
ちなみに、トイレもペロリンガ仕様になっている。ペロリンガ星のトイレはどれも丸っこく、色がついている。地球の一般的なトイレのような、白い便器は存在しないのだという。
▲ペロリンガ星にはよくあるタイプのトイレ
そして、トイレのドアはこれ。
このドアの名前は、「どこにでもあるドア」、だそうだ。
▲ど~こ~に~で~も~あ~る~ド~ア~
店長「あ、帰る前にそのサングラスで遊んで行って下さい。ペロリンガ星で流行っているオシャレグッズなんです」
▲ペロリンガ星のオシャレグッズ
私「……はい」
……ところで、この地球にはほかにもペロリンガ星人はいるのだろうか。そう聞いてみると、店長の答えは「おそらくいないはず」。「いたとしても、僕みたく完璧に人間の姿になっているから、ペロリンガ星人同士でも気付けないと思うんですよね」と続ける。
つまり、街ですれ違った人が、カフェで隣の席に座っている人が、はたまた上司が、ペロリンガ星人かもしれないということだ。今までこの地球には、地球人しかいないと思っていたが、それは大間違いなのである。
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営業時間
11時〜20時 ※連絡事項は事前告知 月曜定休
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TEL・予約
03-3461-2559
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URL
店舗情報はこちら (ぐるなびへ)
ほかにもまだある! 渋谷周辺の気になるカフェ
「ペロリンガ」に着いていけないというあなたに、渋谷周辺の気になるカフェを紹介しよう。こちらは宇宙人ではないので安心して訪れることができる。
FabCafe Tokyo
見るからにオシャレなカフェ。その名前の意味も「FABrication(ものづくり)」と「FABulous(愉快な、素晴らしい)」の2つの意味が込められていて、やっぱりオシャレ。
マックブックを片手に仕事をしている人も多く、ああ、意識高いのね、と敬遠するのは、まあ待とう。このカフェ最大の特徴は、レーザーカッターや3Dプリンタなどが置いてある点。イベントもしばしば開催している。
店舗詳細
・営業時間:月〜土 10:00 am – 10:00 pm 日・祝 10:00 am – 8:00 pm
・定休日:なし
・アクセス:JR線/ 井の頭線「渋谷」駅より徒歩10分
・店舗情報はこちら(公式HPへ)
文房具カフェ
豊富に置いてある文房具を自由に使えて、文房具関連の本や雑誌を堪能できる、その名の通り文房具一色のカフェ。と思いきや、実はこの店、ご飯にも凝っていて、「磯の香り ウニの旨味たっぷりクリームパスタ」だの、「文房具カフェの自家製 チーズ豆腐」だの、いちいち美味しそうなメニューが並んでいて、隅に置けない。
関連記事:一度は行ってみたい文房具カフェ!表参道でランチデートプラン
店舗詳細
・営業時間10:00 – 23:30(フード ラストオーダー22:30 / ドリンク ラストオーダー 23:00)
・定休日:なし
・アクセス:東京メトロ銀座線、千代田線、半蔵門線「表参道」駅より徒歩4分
・店舗情報はこちら(公式HPへ)
hammock cafe + gallery mahika mano
カフェ巡りの疲れはカフェで癒す。ハンモックのショールームも兼ねているカフェ。渋谷から井の頭線一本で来られるので、カフェ巡りの最後はここで締めたい。
店舗詳細
・営業時間:日/12:00〜20:00(ラストオーダー19:00)月〜土/12:00〜22:00(ラストオーダー21:15)
・定休日:なし
・アクセス:JR中央線「吉祥寺」駅より徒歩4分
・店舗情報はこちら(公式HPへ)
SEE YOU NEXT PLAN
そもそもの目的は、「ファミコンなどのゲームができるカフェ」だったのだ。そういうカフェだと思って、私はカフェ「ペロリンガ」に足を運んだ。結果、カフェから帰ってきた今、記憶の大半を占めているのは、ファミコンではなく、ペロリンガ星人の生態についてである。
「ペロリンガ星」と「ファミコン(レトロゲーム)」、ひとつの店に2つの要素を詰め込んだがために、情報の過積載なのではなかろうか。……と思いながらも、あの店長のペロリンガ星人が「地球のゲームって面白いですよね。だからお店にもたくさんゲームを置いたんです」と楽しそうに語るのを見たら、まあいいか、と脱力したのだった。