【ブリュッセル=森本学】ハンガリーのオルバン首相は3日、訪問先のブリュッセルで記者会見し、中東やアフリカから欧州入りする難民・移民の急増に対応するため、欧州連合(EU)が検討している難民の受け入れ分担案について「解決策にはならない幻想だ」と批判した。そのうえで軍隊投入も視野に、EU域外との国境管理を強化する方針を強調した。
ハンガリーは、バルカン半島を北上しEU諸国を目指す移民や難民が殺到し、対応に苦慮している。非EU加盟国のセルビアとの国境沿いに有刺鉄線のフェンスを設けたが、EU加盟国から批判の声が相次いでいる。オルバン首相は記者会見で「代替案があったら教えてほしいが、欧州のリーダーらに他のアイデアはなかった」と主張。国境管理の強化はハンガリーにとって「義務だ」と反論した。
オルバン首相は記者会見で「欧州へやってくる移民の多くは難民としてではなく、経済的に豊かな生活を求めるためだ」と強調。「ヨーロッパに来れば受け入れられるというイメージを与えてはならない」と訴えた。
EUは難民・移民の流入急増に対応するため、加盟国が難民の受け入れを分担する案を検討しているが、オルバン首相は「むしろ欧州を目指す移民を増やす懸念がある」と批判した。
オルバン氏はブリュッセルでシュルツ欧州議会議長、トゥスクEU大統領、ユンケル欧州委員長と相次いで会談。ハンガリーの主張に理解を求めた。
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