田中久稔
2015年9月4日21時02分
環境省福岡事務所(福岡市)で5月、野外で捕獲されたアライグマを冷凍庫に入れて殺処分していたことがわかった。アライグマは特定外来生物として駆除の対象だが、殺処分はできるだけ苦痛を与えない方法が基本とされる。同省九州地方環境事務所(熊本市)は「適切ではなかった」として再発防止策を検討している。
九州地方環境事務所などによると、福岡県内で5月、子どものアライグマ1匹が一般市民に捕獲され、福岡事務所の自然保護官に引き渡された。アライグマは衰弱しており、事務所の冷凍庫に入れて凍死させたという。冷凍庫は、感染症が疑われる死んだ野鳥を一時保管したり、捕獲された特定外来生物のカミツキガメなどの爬虫(はちゅう)類を殺処分したりするため備えていたものだった。
九州事務所によると、自治体などが捕獲したアライグマは殺処分されるのが一般化している。環境省は殺処分について、動物愛護法に基づき「できる限り苦痛を与えない」よう求めており、麻酔薬や炭酸ガスによる安楽死を想定している。福岡事務所でアライグマを引き取るのは今回が初めてで、備えがなかったため冷凍庫を使ったという。
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