細菌を使ったイラストが凄い。
宿主の進化と共生菌の関係を模した絵、とのこと。カラフルな菌を使い分け、寒天培地の上に緻密に描かれている。凄い。
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— ぱ (@Fm7) 2015, 9月 2
昨日こんなtweetをしましたところ、予想外に反響があって驚いております。せっかくなのでこれに関連して細菌を使ったイラストについてもう少し掘り下げてみました。
細菌を使ったイラストの描き方
細菌は至る所に存在します。大気の中、土の中、そして我々の身体の中。単体では眼に見えないほど小さい細菌ですが、至適環境下で増やしてあげれば、その姿をおおまかにですが目で見ることが出来ます。
1. 色々な場所で3分間ふたを開け、(空気中に存在する) 落下菌を採取します。
2. 時間が経つとバクテリアのコロニーがが見えます(3カ所)。
空気中には色々な色をした菌が存在していることが分かりますね。この菌を爪楊枝のような先が尖ったものでつつき、寒天培地に点描していけば、前述したイラストを描くことが出来ます。
蛍光タンパク質が細菌アートの可能性を広げる
空気中や地中にいる菌を使ってイラストが描けることがわかりました。でも、菌類の色ってそんな美しいものではないですよね。青カビだったり、赤カビだったり、鈍い色のイメージが拭えません。
しかし2008年にノーベル賞を獲得したGFP (緑色蛍光タンパク質) を使えば、細菌でもっと美麗なイラストを描くことが出来ます。
様々な色の蛍光タンパク質
蛍光タンパク質を発現する菌で描かれたイラスト
GFP (緑色蛍光タンパク質) をさらに改良し、様々な色の蛍光タンパク質を創りだしたRoger Tsien博士には、2008年に下村脩先生と共にノーベル賞が受賞されています。上の写真はTsien研究室に載っているものです。
細菌アートの専門家たち
世の中には細菌イラストの専門家、また細菌イラストばかりを集めたMicrobial Artと言うサイトが有ります。細菌学を専攻する学生、iGEMチーム、そして芸術家などがイラストを投稿しているようです。
華麗な細菌イラストを幾つか転載します。
6 Days Goodbye Poems Of Ophelia
(菌で描かれたイラストの6日間のタイムラプス画像)
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
死と再生をモチーフにしたこの作品は凄すぎる。 by JoWOnder
アーティストの身体から採取した菌を使って創りだされた作品
by Erno-Erik Raitanen
日本のチームらしい作品!
by iGEMチーム大阪
終わりに
他にも美麗なイラストが沢山上げられています。転載しきれないので気になる人は元サイトをご訪問下さい。
菌を使ってあのような芸術作品が創り出せる人材になりたかった・・・。美的センスのない私は菌を使って研究に励もうと思います。