8月25日、中国で広く使われている「壁越えソフト」(中国ネットユーザーが国のGreat Fire Wallによってアクセスできないサイトにアクセスするためのソフト)の一つ、「GoAgent」の作者が、エンジニアに広く利用されているオープンソースコミュニティ「GitHub」にあったメインサイトをクローズした。残されていたのは、「Everything that has a beginning has an end - GoAgent」(この世に終わらぬ宴はない)という言葉だった。
その5日前、著名なオープンソースプロジェクト「Shadowsocks」の作者が当局の事情聴取にあったという噂が流れ、その後作者はGitHubからオープンソースコードとプロジェクトファイルを削除した。この他、ここ最近では「fqrouter」「曲径」「紅杏」らの著名ブロック越えソフトがサービスを停止している。
これらのサービス作者のうち、Shadowsocksのメンテンナンス担当者の一人、@clowwindyはそのサービス中止の理由をこうつぶやいている。
「2日前に警察が来て、サービスを止めろと言った。今日、彼らはGitHubからすべてのコードを再除しろと要求してきた。わたしに選択権はない。従うしかなかった。将来、自由に好きなコードを書き、それを心配することのない国に住めるようになりたい。あなた達がきっと素晴らしい作品とネットワークの拡張をするだろうことを信じている。Cheers!」
その5日前、著名なオープンソースプロジェクト「Shadowsocks」の作者が当局の事情聴取にあったという噂が流れ、その後作者はGitHubからオープンソースコードとプロジェクトファイルを削除した。この他、ここ最近では「fqrouter」「曲径」「紅杏」らの著名ブロック越えソフトがサービスを停止している。
これらのサービス作者のうち、Shadowsocksのメンテンナンス担当者の一人、@clowwindyはそのサービス中止の理由をこうつぶやいている。
「2日前に警察が来て、サービスを止めろと言った。今日、彼らはGitHubからすべてのコードを再除しろと要求してきた。わたしに選択権はない。従うしかなかった。将来、自由に好きなコードを書き、それを心配することのない国に住めるようになりたい。あなた達がきっと素晴らしい作品とネットワークの拡張をするだろうことを信じている。Cheers!」
昨年9月、GoAgentの作者が警察に呼ばれ、さらには「国家安全局がデータを渡せと要求したが拒絶された」という噂が流れた。2014年11月には北京のIT技術者、許東氏が「騒動挑発」容疑で拘束されたが、その本当の理由は「楓葉バナナ」というブロック越えプロジェクトの開発と販売に参与したのが原因だった。報道によると、警察は彼の友人に、そのソフト開発が「敵対勢力」との関係を示していると語ったという。
その後、GoAgentの主要協力者の1人だった@phusluは、「GoAgentを通じて直接、あるいは間接的な経済利益を得たことはない。またいかなる海外、国内組織の資金援助も受けておらず、GoAgentの公共サービスと政治視点を提供したこともない」と声明を発表した。これは、許東拘束後の「万一に備えて」のことだったと本人は述べた。
中国がインターネットサービスを初めてから3年目にあたる1998年から、中国政府は国家防火壁(The Great Firewall of China、略称GFW)を構築し始め、海外のインターネットコンテンツのブロックを始めた。そこからインターネットユーザーとGFWの長い、ノコギリ戦の幕が切って落とされた。
GFWは一般に技術を通じてアクセス越えソフトが使っているサーバーのIPアドレスを突き止め、サーバーIPをブロックする形でサービスをストップさせ、壁越えソフトの威力を潰す。2012年の第18回中国共産党当大会のあと、GFWは大幅にスケールアップし、DPI(Deep Packet Inspection)の特徴に基づいてモニタリング、フロー分析をする技術を導入し、かなりの数のVPN(特にOpen VPN)を潰した。
しかし、これは商業化された壁越えソフトの成長に大きなチャンスを与えた。壁越えサービスを提供する業者は現状のインターネット・プロトコルに独特のソフトウェアを開発、製品としてユーザーに商業的なサービスを提供するようになった。このほど停止に追い込まれた紅杏や曲径はこのようなサービスに属する。パーソナライズ化された商業アクセス越えサービスがあちこちで生まれ、1人が海外に数台のサーバーを使って、簡単な配備を通じて、数百の顧客をつかむことができ、なかなかの収入となった。
その一方で、SOCKS5プロトコルを使うShadowsocksなどオープンソースの壁越えソフトも大きく発展した。
これまで十数年間、中国政府はGFWを使って海外サイトやそのコンテンツをブロックしてきたが、全面的なポート封鎖やIPホワイトリスト、あるいは完全に国際アクセスを遮断するなどの極端の措置を採っては来なかった。業界関係者はこれについて、中国が経済活動で世界と連絡を取るためだ、と考えていた。壁越えで使用される技術も幅広く商業サービスに組み込まれ、たとえば多国籍大型企業はどこもVPNを使って、親会社のデータとサービスにアクセスしていた。
中国政府がGFWのアップグレードを強化した目的は、中国インターネットユーザーが自由にインターネットにアクセスするための敷居を高めることにあった。中国国内で自由になんの制限もなくインターネットにアクセスする人の数をごく一部の少数にとどめると同時に、国内ではかわりのサービスやアプリを支援した。フェイスブック、ツイッターにはそれに対応するWeChatやウェイボ、人人網など、そしてグーグルには百度、YouTubeには優酷、LeTVといった具合にだ。
長年のGFW封鎖の結果、言葉という敷居もあり、中国のインターネットユーザーの大部分で、中国政府が進めた「国内ネット化」戦略は成功したと言える。多くのインターネットユーザーにとって、今や最大の問題はいかにアクセス越えをするかではなく、なぜアクセス越えをする必要があるのか、になったのだから。
2014年に相次いで起こった、台湾「ひまわり運動」と香港「雨傘運動」は、インターネットの「クラウド革命」に未来を感じさせた。また、SNSによる伝達はますます豊かになってきている中、中国政府は次々とインターネットのもたらすさまざまな理念の伝達と抵抗行動に対して取り締まりを続けており、国内インターネットではすでにほとんどが何も語ろうとしなくなっている。だが、国外の情報の自由な「浸透」と伝播は中国政府にとっての最大の問題となっている。
一連のアクセス越えサービスの中止、特に著名なShadowsocksの作者が警察に呼び出されたという噂は、中国関連コミュニティに広い議論を引き起こした。ネットユーザーは憤激のあまり、次々と作者に中国を離れてそこで引き続き開発を続けろと提案した。
ネットユーザー「性感玉米」は、「最近受け取ったすべての証拠をきちんと残しておくこと。それがV92(アメリカの政治庇護関連移民ビザ)を申請する助けになるかもしれないから。あなたの英語のレベルと能力なら、V92だろうが、H1H2(アメリカ就業ビザ)だろうが、シリコンバレーのトップ起業で試してみる価値はある。そんな社内にはたくさん、あなたの後ろ盾になって推薦してくれるはずだから、自由な国でコードを書いて年間15万ドルの年収を貰いなさいよ」
目下のところ、GoAgentプロジェクトが依頼しているグーグルのIPはすでに封鎖され尽くしてしまい、ユーザーの数も激減している。海外で開発されたLantern、賽風、自由門などの壁越えソフトは引き続きサービスを行っている。オープンソースだったShadowsocksにはPython、Nodegs、Golangなどの関連製品が出演しており、さまざまなOSに対応している。
当局がDPI技術を運用してVPNを次々と無能にしている中で、カスタマイズ可能な工業レベル暗号化を使ったShadowsocksが中国のGFWにとって一番頭の痛いライバルだったのは皮肉なことだ。誰もが、月数十元払ってVPS(Vertial Private Server)を借りれば、たいした技術も必要なく、簡単な手法を学んで、自動スクリプトインストールを動かせば、自分と周囲の友人の壁越えが可能になるのである。国のGFWはこれにどうすることもできないのだ。
つまり、当局は国内の壁越えサービスや開発者を取り締まったことは、壁越えサービスに一定の影響を与えはするものの、中国の人びとの自由な情報取得に対する強烈な意欲は止めることができないのだ。広い市場の要求とIT技術者の使命感によって、中国のインターネット壁越えサービスアプリは新たな生命が吹き込まれ、絶えることはないのである。