スパイアプリを使って、米グーグルの基本ソフト(OS)、アンドロイドを搭載した他人のスマートフォン(高機能携帯電話)を乗っ取り、遠隔操作する−。被害は日本をはじめ世界で相次いでいるが、その代表的なスパイアプリの開発者がノーベル賞受賞者を19人も輩出した名門、米カーネギーメロン大の20歳の学生だった。学生は25日、地元に近いピッツバーグの連邦地裁で開かれた公聴会に出廷し、自らの罪を認めたが、世界中のサイバー犯罪者が集う悪名高い会員制の闇サイトのメンバーでもあったことから、全米に衝撃が走っている。(SANKEI EXPRESS)
25日付のAP通信やピッツバーグ(ペンシルベニア州)の地元紙ピッツバーグ・トリビューン−レビュー(電子版)、同じく地元テレビ局WTAE(電子版)などによると、学生は、メロン大があるピッツバーグから少し東の小さな街、チャーチルに住むモルガン・カルバートソン容疑者。
父親は同じメロン大で起業家精神論を教えていた元教授で、母親は地元チャーチルの公共庭園のボランティアを務めるなど、厳格な家庭で育った。大学ではITやネット技術に興味を持ち、シリコンバレー(カリフォルニア州)にあるサイバーセキュリティー会社でインターンとして働くなどしたが、2年生のカリキュラムを終えて以降、学校を欠席したままだという。
そんな彼の悪行が発覚したのは7月14日。米連邦捜査局(FBI)や欧州刑事警察機構(ユーロポール)、国家犯罪対策庁(NCA)など20カ国・計20の国際捜査機関が協力し、極悪ハッカーが集う会員制サイト「Darkode(ダーコード)」を一斉摘発したことだった。
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