姿勢が悪いと感受性にまで悪影響が 猫背になりがちな現代人が良い姿勢を保つためのアドバイス
学校の先生や家族に「姿勢を良くしなさい」「背筋を伸ばしなさい」と叱られた経験があると思います。ではなぜ、姿勢は良くしたほうがいいのでしょうか? あらゆる人が1日中経験している最も大きなストレスは重力です。もし姿勢が悪いと、まっすぐバランスよく立ち続けるのに筋肉をより酷使する羽目になります。結果的に身体にかかる力を処理する身体能力が損なわれてしまうのです。関節や靭帯にも余計な損傷を与え、肺のような内臓の機能を弱めます。更に、感情の状態や、痛さに対する感受性など、精神面にも悪影響を及ぼしてしまうのです。パソコンを使ったデスクワークで猫背になってしまう人、スマートフォンを長時間、下を向きながら見てしまう人は背筋を伸ばすことを意識してみてください。(TED-Ed2015 より)
- スピーカー
- 教育者 Murat Dalkilinc(ムラート・ダルクルンチュ) 氏
姿勢を良くしたほうがいい理由
ムラート・ダルクルンチュ氏:「背筋を伸ばしなさい!」などと家族との夕食の時間に、前かがみの姿勢を怒られた経験があると思います。こういう小言は煩わしいかもしれませんが、間違っていません。
姿勢、つまり座ったり立っている時にどのように身体の位置を保つかということは、身体が形作る全ての動作の基礎となるものです。また、身体にかかる負荷に対して身体がうまく適応できるかどうかはその姿勢にかかっています。
重いものを持ったり、変な姿勢で座っているとストレスが顕在化します。
また、あらゆる人が毎日1日中経験している最も大きなストレスは重力です。もし姿勢が悪いと、まっすぐバランスよく立ち続けるのに、筋肉をより酷使する羽目になります。
筋肉によっては硬く柔軟性がなくなってしまったり、抑制されてしまうでしょう。長期に渡るこうした機能障害性の適応によって、身体にかかる力を処理する身体能力が損なわれてしまいます。
悪い姿勢は、関節と靭帯に余計な損傷を与え、事故を起きやすくし、肺のような内臓の機能を弱めます。
研究者によって、姿勢の悪さと脊柱側彎症、緊張性頭痛、腰痛(これらのいずれも排他的な原因がないにもかかわらず)との関連性が指摘されています。
姿勢はまた感情の状態や痛さに対する感受性にも影響を与えます。そういうわけで、姿勢を良くすべきたくさんの理由があります。しかし、最近、姿勢を良くすることはより困難になってきています。
変な姿勢で長時間座ることは悪い姿勢を促進します。また、パソコンやモバイルデバイスを使うことによって、視線が下向きになることが助長されています。
多くの研究が示唆するところによると、平均的には姿勢はどんどん悪くなっています。では、良い姿勢とはどのようなものなのでしょうか?
真正面または真後ろから見たときには、33個の椎骨全てが一直線に積み上げられているべきです。
また、側面から見たときには、脊椎は3つのカーブを描いていなければなりません。すなわち、首、肩、そして小さいカーブが腰に、の合計3つです。生まれたときは、脊椎はこのようなS字型ではありませんでした。
赤ちゃんの脊椎はCの文字のようにカーブは1つだけです。
他の2つのカーブは、通常、筋肉が強くなるにつれて生後12-18ヶ月で発達します。このカーブが、直立を維持したり、歩行やジャンプといった運動による負荷を吸収するのを手助けしています。
もしそのカーブが正しく並んでいるなら、直立しているときには、肩の前部から腰の後ろ、膝の前部、踵から数インチ先を結ぶ一直線が描かれるはずです。
これによって、重心が直接あなたの身体を支える土台の上に置かれるようになり、このことによって、疲労と筋肉の緊張は最小限になり、効率的に動くことができるようになります。
正しい姿勢を保つ方法
もし座っているなら(正しい姿勢は)、首は垂直で前方を覆う形になってはいけません。肩の力を抜き、腕は体幹の近くにあるのがよいです。
膝は床に平行で脚に対して直角に曲げられているのがよいです。しかし、あなたの姿勢がこんな素晴らしいものではなかったらどうしたらよいのでしょうか? 周りの環境を見直しましょう。
ディスプレイの高さは目線と同じか少し下くらいに調整してください。
身体の全ての部位、例えば肘や手首が支えられるようにしてください。必要なら、人間工学を取り入れた補助を使用してください。
首と脚の間に枕を挟んで横向きに寝ることを試してください。
ローヒールまたはアーチ(土踏まず)サポートの良い靴を履き、電話はヘッドセットを使ってください。これでもまだ良い姿勢を保つには十分ではありません。筋肉と関節を動かすことは非常に重要です。
実際、良い姿勢でも長時間同じ姿勢で静止したままだと、悪い姿勢で規則的な運動をする場合よりも身体に悪い可能性があります。動くときはスマートに動いてください。
物を運ぶときは身体に近づけて持ってください。
バックパックは背中に密着させて左右対称に背負ってください。座ることが多い場合は、ときおり立ち上がって動き回り、必ず運動するようにしてください。
筋肉を使うことによって、効率的に身体を支えるのに十分な筋力を保つことができます。また、他の全てのメリットを関節、骨、脳、心臓にもたらします。
というわけで、本当に気がかりなら、理学療法士にチェックしてもらうといいでしょう。もし答えがイエスなら、本当に姿勢を正す必要があるのですから。