さらにやっかいな存在に? 新生・村上ファンドどうみる?
THE PAGE 8月20日(木)12時0分配信
モノ言う株主として株式市場で大暴れした村上ファンドが復活しています。村上ファンド代表で、インサイダー取引で有罪判決を受けたこともある村上世彰氏は、C&I Holdingsという会社を通じて本格的な投資活動を再開、電子部品商社の黒田電気の株式を大量取得し、社外取締役の選任などを求めています。
村上世彰氏は通商産業省(現経済産業省)出身の元官僚です。日本の企業はガバナンスが確立しておらず、株主の権利がないがしろにされていると考え、これを是正するため1999年、M&Aコンサルティング(通称村上ファンド)を設立しました。ファンドの設立に際してはオリックスなどが支援しています。
村上ファンドは、一時4000億円以上の資金を保有、アパレルの東京スタイル、日本フエルト、阪神電鉄などの株式を次々に取得し、経営効率の改善などを要求していきました。それまでの日本では、株主からこうした圧力を受けるケースはほとんどなく、多くの経営者が戦々恐々となりました。株式会社は本来、会社を自由に売買することを目的に作られた制度ですから、株主価値の向上を正面から要求する村上氏を評価する声が出る一方、会社の乗っ取りだとして非難する声も大きくなってきました。村上氏はニッポン放送の株式取得をめぐってインサイダー取引の容疑をかけられ、最終的に有罪(懲役2年、執行猶予3年)が確定しました。
村上氏はその後シンガポールに移住し、2013年頃からC&I Holdingsなどを通じた投資活動を再開しています。今回の黒田電気の案件をきっかけに、今後、活動をさらに本格化するとみられています。
旧村上ファンドとの最大の違いは、資金のほとんどが村上氏の自己資金という点です。外部資金を使ったファンドの場合、一定期間内で所定の利益を上げる必要があるため、どうしても短期決戦になりがちです。しかし、自己資金であれば時間の制約はありませんから長期戦が可能となります。企業にとっては、さらにやっかいな存在となるかもしれません。ちなみに、C&I HoldingsのCEO(最高経営責任者)には村上氏の長女である絢氏が就任しており、まさに村上家をあげて投資活動に取り組んでいるわけです。
旧村上ファンド時代には、株主に対する利益還元について日本社会は批判的でしたが、この十年で環境は大きく変わりました。安倍政権は成長戦略の柱としてコーポレートガバナンス改革を掲げており、かつて村上ファンドが企業に対して求めていたROE(株主資本利益率)向上や株主に対する利益還元を、政府が企業に対して強く要請する状況となっています。
ただ、政府が従来の姿勢を180度変更した背景には、このままでは公的年金が破たんしてしまうという、切実な懐事情があります。政府のスタンスが変わったのも、結局はお金の問題だったというのは何とも皮肉な結果です。
(The Capital Tribune Japan)
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