セウォル号引き揚げへ 水中調査始まる=韓国

【珍島聯合ニュース】昨年4月に韓国南西部の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の船体引き揚げに向け、韓国海洋水産部と船体引き揚げを担当する企業連合が19日午後、水中調査を開始した。

 兪奇濬(ユ・ギジュン)海洋水産部長官は現場海域に設けられた海上作業基地を訪れ、潜水士らを激励。「セウォル号引き揚げは単純な船体引き揚げという意味を超え、行方不明者9人の収拾に向けた政府の強い意思が込められた作業」と強調し、最善を尽くすよう要請した。

 韓国政府が昨年11月に9人の行方不明者を残したまま捜索作業の終了を発表してから約280日ぶりに水中調査が始まり、潜水士らが海中のセウォル号の状態や潜水環境などを確認する作業に着手した。

 「ダイビングケース」と呼ばれる潜水用クレーンに乗って海中に入った潜水士は、「強い潮の流れと視界の悪さが潜水士の安全の障害となる」との見方を示した。

 韓国政府は引き揚げ業者を選定する国際入札で中国交通運輸省所管の上海サルベージと韓国企業による企業連合を選定。上海サルベージは今月15日に中国の潜水士や技術者約150人を乗せたバージ船と引き船を韓国に送り、現場に海上作業基地を設置した。

 れから10日間、セウォル号の状態を詳しく調べ、これを踏まえて引き揚げの実施計画を完成させる予定だ。引き揚げは、まず船体に残る油除去や遺体などの流失防止作業をし、船内に浮力材や圧縮空気を挿入。船首にワイヤーを巻きクレーンで浮かせた後、船体の下にリフティングビームを設置する。これをクレーンにつなぎ水深23メートルまで持ち上げ、フローティングドックに載せ港まで移動するという方法で進められる。

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