調査により,開発者の主な収入源がクラウドであることが明らかに
VisionMobileは,“Developer Economics: State of the Developer Nation Q3 2015”と題した調査結果を発表した。その内容からは,開発者の大半が若い男性であること,デスクトップはWindowsが主流でブラウザがそれに続いていること,開発者は自身のコードを主にプライベートクラウドに保管しており,収入の大半をクラウドサービスから得ていること,などが分かる。
調査による発見の最初のひとつは,開発者の大半が男性であることだ。女性の数は南米で3%,北米でも10%に過ぎない。さらに,開発者の平均年齢が30歳付近であることも見てとれる。
地域 | 男性(%) | 平均年齢(Y) |
北米 | 90 | 34 |
南米 | 97 | 30 |
欧州 | 96 | 32 |
アフリカ | 91 | 27 |
アジア | 95 | 27 |
オセアニア | 93 | 34 |
世界全体 | ˜94 | ˜30 |
モバイル関連に目を移すと,ハイエンドセグメントでは依然としてiOSが中心で,iOS開発者がより多くの収入を得ていることが分かるが,“Androidデバイス経由で購入するユーザ数は,今後数年の間にこれを上回ると思われる”。結果としてAndroidが最もポピュラーなモバイルプラットフォーム(71%)であり,続いてiOS(51%),Windows(27%)という順になっている。大多数の開発者はマルチプラットフォームの開発を行っていて,37%はAndroidとiOSを,11%は主要な3つのオペレーティングシステムすべてを対象としている。
開発者の44%はWindows PhoneからWindows 10に移行する意思を持っているが,調査を行ったVisionMobileは,Microsoftのモバイルプラットフォームをターゲットとする開発者の数はもっと少なくなると予測している。マーケットシェアが小さいことに加えて,過去6ヶ月間で30%から27%に減少したように,開発者の関心の低下がはっきりと現れているからだ。
デスクトップに関しては,Windowsがメインのオペレーティングシステムであり,41%の開発者が開発対象プラットフォームとして最も重要視している。それに次ぐのは開発者シェア37%を持つブラウザで,続いてLinuxの11%,Mac OS Xの6%となっている。調査結果から注目されるのは,2%の開発者が,“マーケットシェアのほとんどない”Chrome OSを対象にしていることだ。理由として考えられるのは,
Googleのシンクライアントへの開発者の関心は,ある面では好奇心を拠り所としています。新しいテクノロジに対して,開発者がその能力と限界を理解したいと望んでいるのです。Googleの側でも,プラットフォーム用のアプリケーションパッケージが容易に作成できるよう努力を重ねています。WebアプリをChrome OS用にバンドルするのは退屈な作業ですが,あえて開発者がそれを行うというのは,シンクライアントの利用に対する関心が高まっていることを示すものでもあります。
セキュリティと回復性の面から,開発者の大部分(50%以上)がパブリッククラウドよりもプライベートクラウドを好んでいることが,今回の調査から確認できる。他は次のような割合である: AWS (16%), Azure (13%), Google (8%), Digital Ocean (4%), Heroku (2%)。クラウドで使用されている主な言語は以下のとおりだ: AWS – Java (24%), PHP (21%), Azure – C# (54%), Google – Java (35%), Digital Ocean – PHP (29%), Python (22%), Heroku – Ruby (31%), JavaScript (29%)。
月間収入の面では,大金を稼いでいるものは少なく,クラウドサービス開発者がデスクトップ開発者を上回っている。調査企業の設定した500ドル/月という“貧困ライン”を下回る開発者は,モバイル(51%)およびIoT(59%)関係に多い。
月収入 | モバイル(%) | デスクトップ(%) | IoT(%) | クラウド(%) |
$0 | 19 | 15 | 27 | 15 |
$1-500 | 32 | 34 | 32 | 28 |
$500-5,000 | 21 | 22 | 20 | 23 |
$5-10K | 7 | 5 | 5 | 6 |
$10-50K | 8 | 7 | 7 | 10 |
$50-500K | 9 | 10 | 5 | 9 |
$500K+ | 4 | 7 | 4 | 9 |
Developer Economicの今回のエディションは,149カ国から13,000人を越える開発者を対象に調査したものだ。プログラム言語に関する嗜好やIoT関連,モバイルEコマースなどを含む今回の調査の方法論やトピックに関する詳細は,レポートをダウンロードして確認してほしい。
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