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[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日公表した7月の企業物価指数は昨年4月の消費増税の影響を除いた実質ベースで前年比2.9%下落し、9カ月連続のマイナスとなった。原油を筆頭に非鉄や鉄鋼原料など商品市況が軒並み下落しており、下落幅は2009年12月(同3.7%下落)以来の大きさとなった。
<中国輸出で鉄鋼市況崩れる>
全814の調査品目中、382品目が前年比で下落し、上昇品目数312を70上回った。下落品目が上昇品目を上回るのは7カ月連続で、企業物価指数の下落傾向が鮮明だ。
企業物価指数は前月比でも0.2%下落、2カ月連続のマイナスだった。品目別では、ガソリンや軽油などの石油・石炭製品が原油安を反映し指数を0.12%押し下げた。銅地金などの非鉄金属や鉄スクラップなども中国の需要減を背景とした国際商品市況の下落が直撃した。鉄鋼製品も「中国メーカーの厚板輸出が活発で市況が崩れた」(日銀)。パチスロ機やデジカメの値下げも指数を下押しした。
食料品(飲料・たばこ・飼料含む)は、食パンやマーガリンなどが上昇したものの、大豆かすやトウモロコシなど飼料が下落し、全体で前月比横ばいにとどまった。
一方、電力は夏季の値上げで前月比で上昇。農林水産物も豚の病気による出荷減で上昇した。
消費税は昨年4月に大多数の品目で税率が引き上げられたが、一部品目で増税時期が遅れたため、日銀は税込と税抜で指数を公表している。昨年7月時点では増税が遅れていたのは製糖用テンサイのみだったため、両指数の違いはほとんどない。
(竹本能文)
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