参院安保特:成立前提で検討資料 防衛省「2月施行」

毎日新聞 2015年08月11日 21時20分(最終更新 08月11日 23時19分)

 共産党の小池晃氏は11日の参院平和安全法制特別委員会で、防衛省統合幕僚監部が安全保障関連法案成立を前提に作成したとする内部資料を提示した。資料は「最も早いパターン」として法案成立を8月、施行を来年2月とし、米軍による南シナ海での情報収集活動への自衛隊の関与▽南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)での駆けつけ警護・宿営地共同防衛の実施−−などを「検討事項」として記載していた。

 中谷元(げん)防衛相は「国会での審議中に法案の内容を先取りすることは控えなければならない」と事実なら不適切との認識を示したが、資料の内容についてのコメントは避けた。

 資料は、今年5月に内部向けの説明資料として作られたとみられ、法案成立後の「今後の方向性」についても記している。南シナ海での情報収集活動やPKOでの任務拡充などを「検討事項」として記載し、PKOに関しても来年2月から「新法制に基づく運用」が可能になると明記した。

 小池氏が資料の存在を認めるよう求めたのに対し、中谷氏は「同じ表題の資料は存在する」と述べるにとどめた。また、自衛隊を派遣中の南スーダンPKOについては、関連法の成立後に「他国軍との宿営地の共同防衛」が可能になるとの見解を示した。

 小池氏は自衛隊が法案成立に先立ち検討を始めているとして「戦前の軍部の独走(と同じ)だ。議論はできない」と批判し、紛糾。共産党以外の野党も同調し、同日の質疑は打ち切りとなった。【青木純、福岡静哉】

最新写真特集