トップページ社会ニュース一覧シュノーケリング中の死亡 6割は観光客
ニュース詳細

シュノーケリング中の死亡 6割は観光客
8月11日 18時22分

シュノーケリング中の死亡 6割は観光客
k10010186481_201508111940_201508111949.mp4
10日、シュノーケリングをしていた3人が死亡した沖縄県では、ことしに入り、シュノーケリング中の事故で14人が死亡していて、このうち6割余り県外からの観光客だったことが第11管区海上保安本部のまとめで分かりました。
第11管区海上保安本部によりますと、沖縄県では、ことしに入ってマリンレジャー中に死亡した人が、10日の事故で亡くなった3人を含めて合わせて17人に上っています。
このうち8割余りに当たる14人がシュノーケリング中の事故で亡くなっていて、海水を大量に飲むなどして溺れたものと見られています。その原因としては、シュノーケルの先端から入り込んだ海水に驚いて、うまく吐き出せずにパニックに陥るなどのケースが考えられるということです。
またシュノーケリング中に死亡した14人のうち、県内の人は5人で、6割以上に当たる9人は県外からの観光客でした。第11管区海上保安本部の松本実救難課長は「特別な資格が必要なく手軽に楽しめるシュノーケリングをする人が特に増えている。せっかく沖縄に来たので多少、波があり、準備不足や体調が悪くても泳いで帰ろうという気持ちが観光客にあるのかもしれない」と話していました。

きのうの事故は

10日午後4時すぎ、沖縄県宮古島市の伊良部島にある渡口の浜で、兵庫県から訪れてシュノーケリングをしていた家族4人が流され、会社員の亀井繁和さん(47)と義理の父親の家入新助さん(72)、それに亀井さんの長男で小学6年の麟太郎くんが(12)死亡しました。
現場の渡口の浜は、沖合100メートルほどまできれいな砂の海底が続き、多くの人がシュノーケリングなどを楽しんでいます。
警察によりますと、10日亡くなった麟太郎くんと、救助された8歳の妹が「着ていると潜ることができない」と言って事故の直前にライフジャケットを脱いだのを近くにいた人が見ていたということです。
その後、妹は海に入って流されたとみられていて、助けるために沖に向かった父親の亀井さんと義理の父親の家入さんが死亡しました。
また、死亡した麟太郎くんも、妹とともにライフジャケットを脱いだあとに海に入って事故に遭ったとみられていて、警察が詳しい経緯を調べています。

10日の事故の前に、現場の渡口の浜でサーフィンをしていた地元の男性は、「去年もここで中学生3人が流され、友人が助けたことがあった。10日も多くの海水浴客がいたが、波も荒くて岸から沖に向かって強く流れる離岸流も出ていたので、家族連れの観光客には注意を促した。帰ったあと事故があったのでびっくりしました」と話していました。
また、地元の漁師は、「渡口の浜は潮の流れが強く、干満の差が小さい時でないと流されるおそれがある。急に深くなっていて危ないところもある」と話していて、水難事故防止推進協議会では、渡口の浜の入り口付近に、離岸流などに注意するよう呼びかける看板を設置していました。

監視員は置かれず

沖縄県によりますと、10日、事故が起きた伊良部島にある渡口の浜は、県の条例に基づく海水浴場ではないため、監視員は置かれていなかったということです。
県によりますと、自治体や法人が県内の海岸を海水浴場として利用する場合、条例に基づいて公安委員会への届け出が必要となります。
その際、水難事故を防止するために、監視員を置いたり、浮き輪やボートなどの救命道具を備えたりするよう努めると規定されています。
県によりますと、現場の渡口の浜は地元の人などが海水浴に訪れますが、条例に基づく海水浴場ではないため、監視員は置かれていなかったということです。
県内では、先月にも条例に基づく海水浴場ではなく監視員がいない豊見城市の海岸で泳いでいた小学3年生の男の子が沖に流され亡くなっています。

気軽に楽しめるが危険も潜む

第11管区海上保安本部によりますと、シュノーケリングは、免許が必要なダイビングよりも気軽に楽しめるとして人気が出ています。
マリンレジャーが盛んな沖縄県では、シュノーケルや水中メガネ、足ひれなどを貸し出す店が多数あるほか、コンビニエンスストアなどでも手ごろな価格で簡単に用具を買いそろえることができます。
一方で、シュノーケルに海水が入ったときには慌てずに強く吐き出すなど、一定の知識や技能が必要だということです。
また、第11管区海上保安本部では、シュノーケリングにはライフジャケットが不可欠だとしていて、松本実救難課長は、「ライフジャケットは浮力を確保し安全に楽しむために重要だ。浮力がないと沈んでしまい、パニックになったときにそのまま溺れてしまう。ライフジャケットを着ていれば少なくとも浮力があるので海面まで上がることができる」と話しています。
さらに「波打ち際を見て大丈夫だと思っても、沖でうねっていたら危ないことが多い。地元の人に聞いたり天気予報で波の状況を確認したりして判断し注意をしてほしい」と話しています。

関連ニュース

このページの先頭へ