【ソウル聯合ニュース】韓国の非武装地帯(DMZ)内で4日に爆発が起き、韓国軍の将兵2人が大けがを負った事故で、韓国国防部は10日、爆発物の残骸が北朝鮮の対人地雷と一致したとする調査結果を発表した。
国防部の合同調査団は6~7日に現場で調査を行った。
事故現場は北朝鮮のDMZ見張り所の南930メートル、南北軍事境界線(MDL)の南440メートルで、韓国軍の最前線の見張り所からは北に2キロの地点となる。
4日午前7時35分に韓国軍の下士が韓国側DMZ見張り所近くの鉄柵の通用門を通ろうとしたところ、門の北側40センチの地点で最初の爆発が起き、下士の右足がひざ上から、左足はひざ下から切断された。続いて7時40分、別の下士が負傷者を門の外側に引っ張り出そうとしたところ、門の南側25センチの地点で2回目の爆発があり、この下士は右足首が切断された。
合同調査団は現場から回収した爆発物の残骸を分析し、マツの木でつくられた箱に爆薬と起爆装置を入れた北朝鮮の対人地雷の一種と判断した。殺傷半径は最大2メートルとされる。
調査団の団長を務めた准将は「われわれの作戦兵力を害する目的で敵が意図的に地雷を埋めたのは確実だ」と述べた。このほどの豪雨で地雷が流されてきた可能性も指摘されていたが、同准将はその可能性は薄いとした。現場は韓国側のほうが高く北朝鮮側が低い地形で、爆発物の残骸の鉄材や木箱の破片には腐食の跡がなく、強い松脂の臭いがしたことから、最近埋設されたものとの見方を示した。
北朝鮮軍の見張り所の兵が先月25日に交代しており、その翌日から今月1日までの間に埋設されたと韓国軍は推定している。
DMZで北朝鮮軍が埋設した地雷による事故は1966~1967年に6件あったが、今回は48年ぶりの発生となった。国連軍司令部の軍事休戦委員会もこれを深刻な休戦違反と見なしている。
北朝鮮の地雷埋設の意図について、韓国の市民団体が北朝鮮の体制を批判するビラを散布していることに対する報復、あるいは今月実施される韓米合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)の正常な実施を妨害するものとの見方が出ている。
韓国軍合同参謀本部は各軍の作戦司令部に備えを強化するよう指示し、DMZのほかの通用門や作戦道路に地雷が埋設された可能性もあるとして注意させているようだ。
一方、北朝鮮がDMZ内に地雷を埋設する動きは昨年末からとらえられていたにもかかわらず、韓国軍の備えが十分でなかったのではないかという指摘もある。