James Saft
[29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は経済が完璧な状態になるのを待つあまり、金利正常化の好機を逃すリスクを冒している。
地均しを万全にし、最終的に利上げに踏み切った際の市場への衝撃を和らげようという善意の努力かもしれないが、利上げを遅らせれば遅らせるほど、非現実的なハト派的期待を煽ることになる。
29日の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表に先立ち、株価はパブロフの犬よろしく上昇した。相当勘の鈍い投資家でさえ、今ではFOMC前の数日間が株価に最も上方バイアスが掛かりやすいことに気付いた上で買い持ちにしているはずだ。FOMCが29日に金利据え置きを決め、今後数カ月間利上げを見送るもっともらしい口実を盛り込んだ曖昧な声明を発表したことで、「犬」はご褒美を物にした。
FOMC声明は「経済活動はここ数カ月間で緩やかに拡大した」とし、第1・四半期には経済活動にあまり変化がなかったとする前回の記述を削除した。労働市場の評価を上方修正するとともに、足元のエネルギー・コモディティ価格の下落は「一時的」であり「消える」との見通しを示した。
これらの文章はどれも十分タカ派的に見え、市場を9月利上げに備えさせることもできるはずだ。ただし例外がある。雇用とインフレというFRBの責務をめぐる上下両方向のリスクについての記述で「バランスの取れた」という単語の前に「ほぼ(nearly)」という単語を挿入していることだ。
これは、利上げの環境が整うまでもっと多くの証拠が必要になることを意味しており、かなりの強さを示している経済指標、とりわけ労働関連指標の基調を無視する態度だ。
9月FOMCまでにあと2回、雇用統計の発表が控えているのは事実としても、全体として市場はまだ利上げの準備ができていない。
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