ヒラリー・クリントン氏の苦しい選挙戦の助けとなるのが、新しい考えに対する同氏の敏感さだ。同氏のEメールのスキャンダルの騒ぎは続いている。ビル・クリントン氏やバラク・オバマ氏と違い、同氏の遊説は月並みで、支援者は気をもんでいる。しかし、同氏を中傷する人々ですら、新しい考えに対する同氏の意欲は認めている。その大胆な考えとは、経済の短期主義との闘いだ。
■四半期収益の横暴に終止符を打つ
テーマは理屈っぽく、ドナルド・トランプ氏の悪ふざけにかき消されるのは確実だ。しかし、このテーマは真面目に取り上げるべきだ。次期大統領になる勝ち目があるのはクリントン氏の方で、そうなれば、同氏が「四半期資本主義」と呼ぶこの課題に闘いを挑みやすくなる。同氏はその闘いに勝利する可能性すらある。その闘いの狙いは四半期収益の横暴に終止符を打つことだ。
株主資本主義を改革するという主張は強力だ。米国の投資水準は1947年以降で最低だ。ゴールドマン・サックスによると、S&P500種企業は2014年、自社株の買い戻しに5000億ドル以上を費やした。この金額は、15年には6000億ドルに上るとみられる。
この流れが長引くほど、投資縮小は一層の混乱を引き起こす。収益が健全で資本コストがゼロに近い今こそ、将来を見据えた計画を打ち出す時だ。今日の投資が明日の配当を生む。しかし、上場企業はほぼ一様に、今日配当を支払いたいと考えている。米国で上位の公開企業は、株主の投資金額1ドルに対し8~9ドルの配当金を支払っている。
米国実業界は自己実現しつつある悲観論で身動きがとれなくなっている。米国の経済成長が年間約2%を超えないと信じている限り、将来的な拡大に対する投資は行われず、恐れていることが現実となる。理想的な世界では、米国の公共部門は財政赤字を出すことで民間部門の貯蓄を補填する。しかし、政治的にはそれは不可能だ。
クリントン氏の考えの長所は、政府を肥大化させることなく投資への意欲を高めようとしている点だ。今日、意欲は短期的な株価を上げることにあきれるほどに偏っている。そうすることで、経営陣は報奨を得られる。クリントン氏がそのせいでアメリカが欺かれていると指摘するのは正しい。
しかし、同氏の解決策はその診断に見合っていない。同氏は投資期間に応じて漸減するキャピタルゲイン税を導入するとしている。投資期間が6年以上になると、キャピタルゲイン税は20%に下がる。投資後2年以内に売却すると、ほぼ2倍を支払うことになる。こうした見直しが投資家の投資期間を変えるのに十分かは疑わしい。手中の1羽の鳥の魅力は藪の中の2羽よりも大きい。
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