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<中国>禁輸なのに…日本産粉ミルク「爆買い」か 湖南省

毎日新聞 7月26日(日)21時12分配信

 【上海・林哲平】東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の影響で日本の一部地域原産の食品の輸入を禁止している中国で、東京、群馬両都県産の粉ミルク約500缶を発見、日本に返送すると中国中部湖南省の検疫当局が24日発表した。過去に国産粉ミルクによる大規模な健康被害があった中国では、外国産粉ミルクを求める親が多く、規制に反して日本製品を大量に輸入しようとした「爆買い」の可能性もある。

 地元紙・長沙晩報によると、見つかったのは中国向けに郵送された粉ミルク約425キロで約4万元(約80万円)相当。簡易検査では基準値を超える放射性物質は検出されなかった。輸入者が個人か法人かなど、詳細は明らかになっていない。6月には広州でも東京都産の粉ミルク約630缶が発見されている。

 中国では2008年、国内大手乳製品メーカーの粉ミルクに化学物質メラミンが混入する事件があり、数万人の乳幼児に健康被害が出た。このため国産粉ミルクへの不信感は根強い。当局の対応についてインターネット上には「中国の粉ミルクよりよほど安全だ」「放射性物質が検知されないなら、なぜ日本産を飲んではいけないのか」との声もある。

 日中両政府は6月、北京で局長級の協議を初開催し、福島や東京など10都県産の食品の輸入禁止措置の緩和に向けた交渉をスタートしている。

最終更新:7月26日(日)22時37分

毎日新聞