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<西伊豆感電事故>住居停電回避へ変圧器?

@S[アットエス] by 静岡新聞 7月24日(金)14時41分配信

 西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で7人が獣害防止の電気柵に感電した事故で、電気柵を設置した男性が、住居の漏電遮断器が作動することによる停電を避けるため、農機具小屋に変圧器を設置していた可能性のあることが24日、関係者への取材で分かった。事故当時、住居の漏電遮断器は作動していなかったという。下田署は作動していれば事故の深刻化が防げた可能性があるとみている。

【写真】事故現場を心配そうに見守る地域住民ら

 関係者によると、男性が使用した変圧器は「絶縁トランス」と呼ばれる種類の器具だった。事故直後に現場を調査した経済産業省によると、農機具小屋にあった変圧器は旧式のタイプで、縦20センチ、横15センチ、高さ20センチ程度の直方体だった。
 絶縁トランスは通常、病院の集中治療室(ICU)や手術室などの「医療用コンセント」に利用され、配電盤の漏電遮断器による一斉停電を回避している。
 男性の親族は報道陣の取材に、男性が「(電気柵に)漏電遮断器を付けなかったのは自分のミスだった」と話していることを明らかにしている。
 男性は住居の配電盤から農機具小屋に引き込んだ家庭用コンセント(100ボルト)から電源を取り、途中旧式変圧器を介して電圧を440ボルトに引き上げ、事故のあった場所のほか、裏山の畑など総延長300メートルの電気柵に電気を供給していた。
 同署は男性が誤った知識のまま、安全対策を施していない電気柵を使用し続けたため、事故を起こしたとして、重過失致死傷容疑などを視野に捜査している。

静岡新聞社

最終更新:7月24日(金)14時41分

@S[アットエス] by 静岡新聞