コンテンツマーケティング界隈の市場規模を徹底解説

コンテンツマーケティング界隈の市場規模まとめ

コンテンツ中心のマーケティングを行う「コンテンツマーケティング」という概念が徐々に認知され始め、取り組む企業が増加してきたことを証明するように、コンテンツマーケティングを支える業界も成長を見せています。

しかし、一口にコンテンツマーケティングと言っても、カバーできる範囲が広すぎるためにどのような施策がコンテンツマーケティングの枠組みに入るのかいまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、コンテンツマーケティングを構成する業界を洗いだした上でそれぞれの市場規模を調べ、コンテンツマーケティング全体の規模感を推測してみました。

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1.コンテンツマーケティングを形成している業界は?

コンテンツマーケティングは、言うまでもなく全ての起点が「コンテンツ」となります。

具体的に言うと、下記の3つのフェーズ全てをコンテンツでまかなえる状態が理想です。

・顧客を呼び寄せる(集客)
・顧客の興味を引き、潜在ニーズを顕在化させる(ニーズ喚起)
・顧客管理・育成(CRM)

では、実際に各項目をコンテンツで代替する場合はどのような施策を実行すれば良いのでしょうか。

・集客→コンテンツSEOニーズ喚起→コンテンツライティング/動画
・CRM→マーケティングオートメーション

まとめると、コンテンツマーケティングに必要な施策は下記の4つに集約されます。

コンテンツSEOコンテンツライティング
・動画
・マーケティングオートメーション

では、上記4つの業界の市場は現状どのくらいの規模なのかを見てみましょう。

2.各業界の市場規模

2.1.コンテンツSEO

現在は、SEOといえばほぼコンテンツSEOを指すようになってきたほど、コンテンツ寄りの施策が台頭しています。
もちろん外部リンクや内部対策も重要な指標ではありますが、有料リンクのリスクは高まる一方で、内部対策も基本的なものは自社で内製可能です。

参考:
【決定版】SEOに効く内部対策のチェックリスト

ですので、これから予算を投じて本格的に行うべきなのはコンテンツSEOであり、主要なSEO企業のほとんどが既にコンテンツSEOコンサルティングに移行しています。
SEOの市場規模については、クロスフィニティ社の調査データで把握することができます。

SEO市場規模推移

参考:
2014年度版国内SEO市場予測 (2012-2016)~2013年は前年比115.7%の315.4億、2014年は369億まで伸長と予測~|2014.07.25|ニュース|クロスフィニティ - Power to the web

Googleアルゴリズムの大規模なアップデートにより、SEO市場は縮小するしかないという見解が一時期強まってはいたものの、検索エンジンがあるかぎりSEOがなくなることはありません。むしろ、ユーザーにとって有益かどうかが最も重要な判断基準となるコンテンツSEOが主流になったことで、ようやく本来行われるべき施策に集中できるようになったと考えていいでしょう。

コンテンツSEOGoogleと共存するための施策であり、企業側にとっての資産となり得るため需要も高まっています。
2015年度は約450億、2016年度には500億を超える規模になると予想されています。

2.2.コンテンツライティング

コンテンツマーケティングには、定期的に更新できるコンテンツが不可欠です。
現状、企業が扱えるコンテンツとしては「テキスト」と「動画」がメインになります。
テキストコンテンツは本来なら自社サービスを最も理解できている企業自身で作成するのが一番ですが、社員が本業と掛け持ちしながら定期的にテキストコンテンツを作成するのは現実的でない企業の方が多いのではないでしょうか。

その中で活用するべきなのがクラウドソーシングサービスです。
ライティングサービス専門のサービスも多数リリースされており、テキストコンテンツ作成の需要の高さが窺えます。

参考:
すぐに依頼できる業態別コンテンツライティング代行サービス28選

少し古い情報になってしまいますが、2013年度のクラウドソーシングの流通金額は前年比+101%の215億円となっており、その後も毎年平均+60%の幅で成長していくと予測されています。それに則れば、2014年は341億円、2015年度は540億円の市場に成長していることになります。

参考:
クラウドソーシングサービス市場に関する調査結果 2014 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

消費者庁のデータによると、ライティング業務が全体の2割を占めていることがわかるので、単純計算するとテキストライティング業界は2015年度の段階では100億円程度の市場が形成されているのではないかと推測できます。

参考:
日本国内におけるクラウドソーシングの現状

2.3.動画

次世代のコンテンツの主流はほぼ確実に動画になるでしょう。
Ciscoの調査によると、2015年はインターネット利用の66.4%を動画が占めると見られています。
更に、アメリカの広告会社Freewheel社の調査では、2015年第1四半期における動画全般の視聴数は2014年比40%増となっており、それに伴って動画広告の視聴数も43%増加しています。
これらは国外の調査データですが、国内にも急速に動画市場が形成されてきています。

参考:
動画マーケティング市場、2015年上半期の注目トピックスまとめ | movieTIMES ムービータイムス

20代のスマホ所有率は94%、SNS利用率は30代でも8割超 - 総務省が統計調査 | マイナビニュース

ニールセン、スマホ利用状況調査!スマートフォンはPCを超えた?! - iPhone Mania

それに伴って動画広告市場も急成長を遂げています。
2014年の動画広告市場は、前年比約2倍の300億円にのぼり、2017年には900億円にまで成長すると予測されています。

2.4.マーケティングオートメーションツール

コンテンツマーケティングのメリットは、潜在顧客へアプローチし、中長期的に育成してロイヤリティを上げていくことができる点にあります。
そうなると、顧客がどのようなステイタスにいるかを厳密に管理し、顧客一人一人に合ったアプローチを行う必要があります。
その時に便利なのが、集客から顧客管理までを一貫して行えるマーケティングオートメーションツールです。

マーケティングオートメーションの詳細はこちら
Web担当者の救世主?「マーケティングオートメーション」が理解できる記事3選

Web担当者の救世主!?マーケティングオートメーションツール16選

世界的にマーケティングオートメーションの普及が進んでおり、2014年の世界市場規模は36.5億ドル(約4526億円)で、2019年には55億ドル(約6820億円)にまで成長すると予測されています。
一方で、日本国内での導入はまだまだ進んでいない状況です。

全世界のマーケティングオートメーション市場において、日本が占めるシェアはわずか1.8%にとどまっています。
マーケティングオートメーションに関しては導入にあたり大幅な変化が要求されるため、なかなか踏み込めないという企業が多いのかもしれません。

しかし、世界トレンドではマーケティングオートメーションの成長は確実視されており、その波は遅かれ早かれ日本にも到来するのではないでしょうか。

まとめ

コンテンマーケティングを支える主要な業界の市場データをまとめると、だいたい1,000億円程度の市場を形成していると考えられます。
国内市場としてはまだまだ小規模ではありますが、今後の成長が特に期待できる分野なので国内市場にどれだけの影響を及ぼせるかは未知数です。

コンテンツマーケティングは、どのような形態であれ中長期的な施策として取り組むことが前提となっており、すぐに収益に繋がることはほとんどありません。
一方で、それなりの費用と時間を投じなければいけない分野でもあるため、企業体力が試される場でもあります。

それでも、外部リンク施策の効果が弱まり、広告費も高騰する一方の今の時代においては、中長期的な効果が見込め、なおかつ広告に頼らずに新規顧客を獲得できる可能性のあるコンテンツマーケティングは避けられなくなっています。

市場規模が大きくなるということは、取り組んでいる競合も増えているということです。
効果が出るまでの期間が長いうえ、やればやるほどコンテンツ(=資産)が蓄積されていくので先行者メリットは大きくなります。

中長期的な集客を見据えて、コンテンツマーケティングを始めるかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。

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水落 絵理香

webマーケティング事業部 編集ディレクター。
前職はCMS制作会社でwebコンサルティングに従事。Ferretでは記事作成、SNS運用を担当。「読めば誰でもwebマーケターになれるようなメディアを目指します!^^」

-Facebook:水落絵理香
-Twitter:@saturunus

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