大西元博
2015年7月22日10時14分
2次元の漫画やアニメを舞台化した「2・5次元ミュージカル」が熱い。2013年の観客数は70演目で160万人を突破(2・5次元ミュージカル協会調べ)。その後も人気作が続々と舞台化され、勢いは衰えない。なぜ、いま2・5次元なのか。
2・5次元ミュージカル流行の先駆けとなったのは、2003年に上演された「テニスの王子様」(テニミュ)だ。原作は週刊少年ジャンプの連載漫画。中学校のテニス部が舞台で、試合の描写が柱だった。舞台化を手がけた演劇プロデューサーの松田誠さんは「物語以上に役者の動きが重要」と考え、演出を依頼。歌とダンスで試合を表現した舞台が評判になった。
無名の新人俳優らを起用したことも功を奏した。「日本の漫画の多くは主人公の成長がテーマ。主人公と若手俳優の成長ストーリーが重なり、女性を中心に支持された」
テニミュは現在まで続く長期公演となり、城田優、斎藤工など人気俳優が輩出。累計観客数は200万人を超え、2・5次元コンテンツの知名度を高めた。原作の価値を押し上げる効果を認めて協力する出版社も増え、「NARUTO」「弱虫ペダル」「東京喰種(グール)」といった人気漫画も舞台化されている。
舞台技術の進化や多彩な演出が原作の持ち味をいかす。「NARUTO―ナルト―」は忍者を表現するためトランポリンを使ったアクロバットを導入。脚本・演出の児玉明子さんは「長編の原作を2時間の舞台にするため衣装とメイクにこだわり、『絆』など原作の世界観を伝えることを重視した」という。「東京喰種(グール)」は舞台の背景に鮮烈な映像を用い、迫力を増した。
2・5次元を観客として支えているのは若い女性たちだ。ミュージカル「忍たま乱太郎」は子供向けの漫画アニメが原作。舞台は乱太郎の上級生らがストーリーの中心だ。演じるのは20代の若手俳優で、客席は10代、20代の女性で埋まる。上演中に俳優とのハイタッチもあり、「観客と俳優との距離感の近さ」が人気につながる。
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