—— 本日はお時間いただき、ありがとうございます! よろしくお願いします。
渡辺由佳里(以下、渡辺) こちらこそよろしくお願いいたします。
堺三保(以下、堺) よろしくお願いしまーす。
—— 今回、おふたりは、ハーパーコリンズ・ジャパンが刊行する『毒見師イレーナ』の翻訳と解説をそれぞれ担当されたんですよね。今日はぜひ、ハーパーコリンズ日本上陸から『毒見師イレーナ』、はては翻訳小説全般についてまで幅広く語っていただきたく! と言いつつ、実は私もまだ「ハーパーコリンズってなんぞや?」の状態ですが……世界ではかなり有名な出版社、なんですよね。
渡辺 では、まずは「ハーパーコリンズとは?」からいきましょうか! 世界にはかつて“ビッグ6”と呼ばれた、6つの代表的な大手出版社があるんですよね。ペンギンとランダムハウスが合併したので、今は“ビッグ5”となりましたが……。
堺 ちょうどハリウッドの映画会社に“メジャー6”があるような感じですね。
渡辺 はい。ハーパーコリンズはそのうちのひとつで、老舗でもあります。
—— ビッグ5! 5本指なわけですね。その中でハーパーコリンズって、どんなイメージの会社というか、印象なんでしょう?
渡辺 ハーパーコリンズの親会社であるニューズ・コーポレーションは、タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルといった新聞・雑誌、Foxテレビや21世紀フォックスといった映画会社を傘下におさめている、巨大なメディア・コングロマリットなんです。
—— 聞いたことある名前ばかりです。
渡辺 ええ。ですからハーパーコリンズは「売れる本を探すのがうまく、売り方もうまい」という印象がありますね。最近映画やテレビでも売れているヒット作には、ベロニカ・ロスの『ダイバージェント 異端者』や、ジョージ・R・R・マーティンの『氷と炎の歌』があります。昔の作家では、アガサ・クリスティとかJ.R.R.トールキンとか。
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