サムスン物産合併問題、米ヘッジファンドの仮処分申請棄却

 ソウル中央地裁は合併目的についても、「サムスン物産は建設、商事部門の売り上げの伸びが停滞しており、レジャー、ファッション、バイオ分野を強みとする第一毛織と合併を推進するに足りる経営上の理由があると見なす余地がある」と指摘した。エリオットは今回の合併が経営権継承を目的とするものだと主張しているが、裁判所は相乗効果を目指した経営上の判断と見なした格好だ。

 ソウル中央地裁はまた、「合併が第一毛織とその大株主であるサムスングループのオーナー一族の利益のためだけに行われるとは言えない」とし、エリオットがサムスン物産の経営陣について主張した背任の疑いについても否定した。

 裁判所の決定について、サムスン物産の広報責任者は「合併の正当性と適法性を認めたものであり、株主の指示を得る上で大きなモメンタム(弾み)になると考えている。裁判所は無差別的な訴訟で株主の正当な意思決定の機会を封じ込めようとする海外ヘッジファンドに待ったをかけた」と評した。一方、エリオットは「(自社株売却は)サムスン物産の株主にとって不公正な取引を支援するために行われており、全面的に不適切だという立場には変わりがない」とコメントし、抗告を行う姿勢を示した。

 サムスン物産と第一毛織の合併でキャスチングボートを握る国民年金(出資比率11.21%)は9日、投資委員会を開き、議決権行使の是非を決定する。仮にここで判断がつかない場合には、外部の専門家9人で構成される議決権行使専門委員会に結論を委ねる。事案の重要性や敏感さを考えると、結論が専門委に持ち越される可能性が高いとみられる。

辛殷珍(シン・ウンジン)記者
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