-韓国は、北朝鮮の脅威に備えなければならないという困難の中で、福祉に対する要求まで大きくなっており、財源配分論争が激しい。こうした制約の中でグローバルな役割を果たせるだろうか。
「ほかの多くの国々のように、資源配分(ポートフォリオ)をうまくやらなければならない。安全保障や外交は、国内問題がうまくいってこそ堅固になる。経済的な成功、教育分野での達成が重要だ。北朝鮮の脅威は、特殊なケースだ。一定の資源をつぎ込まなければならない。統一にも備えなければならない。それだけ費用が掛かる。しかし統一のプロセスは、チャンスになり得る」
-6カ月前、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に、北朝鮮の脅威と統一の可能性に関する記事を載せた。当時とは評価が変わったのか。
「変わっていない。懸念は徐々に大きくなっている。北朝鮮の政権は、韓半島だけでなく域内、世界的脅威に拡大した。問題は、時間はわれわれの味方ではないということだ。次期米国大統領は、情報当局のトップから『北朝鮮は核弾頭を小型化し、ミサイルに積んで米国に到達させることができるようになった』という報告を受け、こうした前提の中で北朝鮮と交渉せねばならないかもしれない。5年以内に起こり得ることだ。手を打たなければならない。北朝鮮の核問題は、それほど急迫している」
-韓米両国の役割があるはずだが。
「韓米両国は、韓半島で起こる変化について緊密に話し合うべきだ。明日の朝起きたとき、北朝鮮で何か起こっているかもしれない。北朝鮮はいつも、われわれを驚かせる余力を持っている。日本・中国との議論も必要だ。中国もよく考えるべきだ。今のような現状維持が果たして中国の利害関係と一致するのか。そんなことはない。中国の指導者が緊急性を感じ、変化を模索しようと感じることが重要だ。楽観的な部分もある。韓国で統一に対する認識が変わっていることだ。単純に費用の問題だけを考慮していた過去から抜け出し、経済的利益を得られると考えているようだ。中国も、韓国と良い関係を保っているが、北朝鮮とは何かうまくいかず、具合が悪い。新たな思考が生じているのだ」
-韓中関係をめぐり、米国の一部の専門家は、韓国が接近し過ぎたと懸念している。米国との安全保障同盟も重要だが、韓国の戦略は。
「韓国が経済的に中国へ接近するのは理解できる。中国が韓国のことを平穏に感じるのなら、それは良いことだ。韓半島の統一に関する戦略的側面で役に立つ。韓国が中国に接近するといっても、米国とのユニークな同盟関係とは比較し得ない。ただし、中国にあまり依存しすぎてはいけない。韓国との関係を通して、中国がもう少し開放的になり、韓半島政策を考え直すようになれば、歓迎すべきことだ」