6月28日午後3時、結婚情報会社「ソンウ」がソウル・鐘路のカフェで結婚を希望する男女を対象に集団見合いの場を設けた。男女34人ずつ計68人が集まったこの日、せわしなく動き回って理想の相手を探していた男性会員の多くは、相手の女性と目を合わせることができなかった。大企業で管理職をしているAさん(30)は、向かい合って座った女性に「こんにちは」とあいさつしただけで、言葉が続かなかった。「もしかして、映画はお好きですか?」という相手の女性に、Aさんが「はい」と短く答えたきり顔を赤らめると、女性はすぐに席を移動した。Aさんは「20代のころに恋愛経験がほとんどないので、女性に対して未熟なところがある。結婚相手を選ぶため、できるだけ多くの女性に会うつもりだ」と語った。
2000年代半ばからメディアで取り上げられてきた20代初めから半ばの「草食系男子(草食男)」たちは今、30代の結婚適齢期を迎えて結婚市場に集まっている。草食男とは、恋愛やデートに興味がないが、自己啓発や趣味の活動には時間とお金を投資する男性のことをいう。恋愛下手だが、結婚自体を避けているわけではないという点で、独身主義者とは異なる。この日の集団見合いでは、Aさんをはじめ少なからぬ数の男性が「恋愛経験がほとんどない」と答えた。
恋愛に消極的な草食男たちが結婚する年齢に達したことで、「結婚市場」の風景も一変した。結婚情報会社の会員数は昔から女性会員が多かったが、今では「男性超過」傾向になりつつある。韓国最大手の結婚情報会社「デュオ」では、08年に加入した女性が57.5%、男性は42.5%で、それ以降も女性の方が多かった。しかし、昨年末に初めて男性会員が52%に達した。今年も会員2万6300人のうち、男性は1万3400人(51.3%)で、女性よりも多い。男性会員の増加速度も女性会員を上回っている。この7年間で女性会員数が50.5%増えた一方、男性会員数は120%増加した。