国際反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による日本の調査捕鯨妨害が問題化して久しいが、SSがほとんどヤリ玉に挙げていない“捕鯨大国”がある。お隣の韓国だ。何と、日本の調査捕鯨による捕獲頭数の4倍以上のクジラが“漁獲”されているという。同国メディアの衝撃報道とは−。
「網にたまたまクジラが入ってきてしまった、という論理だが、とても『たまたま』で納得できる数じゃないよねぇ…」
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は、こうあきれる。
室谷氏の解説は後述するとして、衝撃のデータは、ハンギョレ(日本語電子版)が6月29日に報じた。他の魚類を捕るための網にかかって死んだクジラを獲ることを「混獲(こんかく)」と呼ぶ。同紙によると、韓国の混獲は2014年は1849頭、13年は1997頭、12年は2751頭に及ぶというのだ。ちなみに、日本の年間混獲頭数(13年、水産庁集計)はわずか116頭。調査捕鯨にしても、年475頭(13年度、同)だ。
高知県の定置網漁関係者は「誤って網にかかったクジラは、まず逃すことを試み、それがかなわず死んでしまった場合にのみ引き揚げる。こうしたケースは、県内で年に数回から十数回程度しか起こり得ない」と話す。
前出のハンギョレは「【現地ルポ】混獲を口実に続けられる捕鯨」との見出しが掲げられ、釜山に近い韓国南東部・蔚山(ウルサン)が、混獲で“復興”をとげた様子がリポートされている。