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CYCLINGTIME.com

2015/6/24 20:22

全日本選手権個人TT:エリート男子でまさかの下克上

全日本選手権個人TT:エリート男子でまさかの下克上、サラリーマンライダーがプロ撃破で全日本チャンピオンに、油断と慢心、そして実力不足、これが日本の今のプロのレベルか?


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まさかの結果が待っていた。今年の全日本選手権個人TTエリート男子、悪天候という要素があったとはいえ、プロがアマチュア選手に屈するという無様な結果となった。まずなによりも素晴らしかったのが全日本チャンピオンに輝いた中村龍太郎(イナーメ信濃山形信濃山形)の走りだ。普段はサラリーマンとして働く男が、あっぱれな下克上を成し遂げてみせた。丁寧に走ったとはいえアップダウンの多いコースの上りを馬力でクリアしていける走りはもはやプロのそれだった。


『まさかの展開と結果、プロ惨敗という結果 (C)S.A.』
対して不甲斐ない結果に終わったのがプロ勢だ。海外からの出戻り組、そして現時点で海外で走っている選手達が揃っての敗北、これが今の日本のレベルなのだと受け止めなければならないだろう。最高級の機材を提供され専門にトレーニングをし、自転車競技をプロとして生業にしている選手が、普段は一般企業で仕事をしながら限られた時間で練習、そして機材も一部拝借して挑んだアマチュア選手に負けたのだ。「恥ずかしい」そう一部選手が口にしていたのは本心からのものだったと思いたい。


『中村選手の見事な走り、まさにプロよりプロらしかった (C)S.A.』
無名ではないとはいえ、全くマークしていなかった選手にしてやられた原因は、一にも二にも油断と慢心だろう。後半ペースが落ちてくるだろう、と勝手な憶測をした選手が多かったはずだ。しかし現実は全くペースが落ちるどころか、最後まで快走、いいようにしてやられたのだ。

今年のこの結果は日本が抱えている現状の問題、世界に通用するプロ選手が育たないという環境の問題がそのまま感じられた結果となった。まずは絶対的に足りないハングリーさ、雨で危険回避のために無難に走ろうとする選手が多く、どんなことをしてでも、リスクを背負ってでも勝ちたい、是が非でも頂点に立ちたいという攻めの走りはほぼ感じられなかった。代わりに皆同条件なのだから、無理はしない走りに徹するだろうという欲のない計算をしているように感じられた。確かに転倒すれば全てが水の泡、しかし安全策でアマチュアに負けていたのでは屈辱と無様でしかない。


『プロがアマに敗北という事実は消えない (C)S.A.』
そしてもう一つがプロとしての意識の低さだ。結果が出せなくても笑顔で談笑する選手たちの姿は毎年のように見られる。これ一つとってもプロとしての自覚の無さ、そして競技に対する姿勢が問われる。現状で満足する程度のプロであるならば、世界など夢のまた夢、永遠に手が届くことなどないだろう。それどころか背中を向けて手さえ伸ばしていないのではないだろうか。こんなプロの姿を見て、一体どれだけの子供達が憧れるだろう。競技人口が思ったように広がらず、自転車が日本でメジャースポーツになりえない理由はこんなところにもあるのだ。

自転車競技は結果がすべての競技、ましてや個人TTなどはなおさらだ。悔しいと思ったのであれば、それは結果で示すしかないのだ。もしベストを尽くしたと言い切るのであれば、それまでの実力だったというだけのことだ。またよく”選手は頑張ったのだから”と擁護する人間がいるが、それは何の役にも立たない。プロは結果を出すことが仕事であり、それで給料をもらっているのだ。本業ではない人間に負ければ、それは給料泥棒と言われても仕方がないのだ。最終的には本人が結果で示さなければ、そこにはなんの説得力も生まれないのだ。

もちろんこのレースのみで判断するのは酷だろう、しかし”負けた”という事実は揺るぎようのない現実なのだ。厳しいようだが、この結果では”プロ”という肩書はアマチュア以下のお飾りでしかないと言われてもしょうがないだろう。この悔しさを言葉ではなく結果で返してこそプロなのではないだろうか。世界を目指す、それぐらいの気概で挑み、結果で語って欲しい。皆の心の根底にある大和魂はこんな程度のものではないはずだ。

中村龍太郎選手にはさらなる飛躍を期待すると同時に、プロにはよりプロらしく奮起をしてもらいたい。

全日本選手権個人タイムトライアル2015 エリート男子
1位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) 49分54秒42
2位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 49分58秒08
3位 西薗良太(ブリヂストンアンカー) 49分58秒20
4位 窪木一茂(Team UKYO) 50分10秒56
5位 佐野淳哉(那須ブラーゼン) 50分24秒82

H.Moulinette
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