直井政夫
2015年6月25日09時53分
愛媛県今治市沖の大島にある亀老山展望台で、転落防止用のワイヤにたくさんの南京錠がつけられている。かつて、カップルで鍵をつけると「永遠の愛が成就する」などと話題になったためだという。今でも、多い時は数百個の鍵が鈴なりにかかるが、管理する市は「重みでワイヤが切れたこともあり、やめてほしい」と呼びかけている。
展望台は1994年に大島の南部にある亀老山の頂上に完成した。標高は約300メートル。しまなみ海道で最高の眺望といわれ、海に沈む夕日を浴びる来島海峡大橋を一望できる。天気がよければ瀬戸内海ごしに石鎚山も望める、絶好の観光スポットとして知られる。
設計は、2013年に完成した新しい歌舞伎座(東京)を手がけた著名な建築家、隈研吾(くまけんご)さんが担当。環境に配慮して周辺の緑に沈み込むような形にした。開放的な展望台は、周囲を転落防止用の鉄製ワイヤで囲まれている。
市によると、展望台は10年ほど前、雑誌でカップルの聖地などと紹介されたという。インターネットでも話題になり、ワイヤにつけられる南京錠などが増え始めた。鍵には油性のフェルトペンでカップルの名前や日付、メッセージなどが書かれていることが多い。
多い時は数百個の鍵がかかり、その重みでワイヤがたわんで柱との接合部分が切れるなど、管理面の支障が目立つという。数年前からは「せっかくの景観が悪くなる」という来訪者の指摘も届き始めたという。
市は随時、鍵を撤去し、数カ月間保管した後に処分している。年に1本ずつワイヤを交換し、鍵つけをやめるように求める貼り紙を展望台の数カ所に掲げている。しかし、貼り紙は度々はがれ落ち、監視人が常駐していないため徹底するのは難しく、「いたちごっこ」の状態が続いているという。
市観光課の担当者は「大切な公共物を傷める。景観への影響もあるので、やめてほしい」と話している。(直井政夫)
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