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才能・努力ではない第3の成功因子「グリット」とは? 子供のために知っておきたい最新の教育事情

才能・努力ではない第3の成功因子「グリット」とは? 子供のために知っておきたい最新の教育事情

大学入試の見直しをはじめ、日本の教育改革が進みつつあります。そんななか一歩引いた視点で、世界でどんな教育が行われているかを知っておくことも大切ではないでしょうか? グリッド教育、創造性を高める教育、empathy教育など最先端の教育を実践する3名のプレゼンをまとめました。

スピーカー
ペンシルバニア大学 心理学教授 Angela Lee Duckworth(アンジェラ・リー・ダックワース) 氏
能力開発・教育アドバイザー/思想家 ケン・ロビンソン 卿
アショカ・ジャパン創業者・代表理事 渡邊奈々 氏
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成功者が共通してもつ「」という能力

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成功に必要なのは努力か、才能か? 長年にわたり議論されるこの問いに対して、心理学者のAngela Lee Duckworth(アンジェラ・リー・ダックワース)氏は、新たな説を提唱します。彼女が語った、第3の成功因子「グリット」とは一体?

成功者の共通点に関する調査を行ったところ、成功を収める人たちは、共通してある1つの性格を持っていることが明らかになったのです。

それは高学歴や知能の高さではありませんでした。外見の良さでも、身体的能力の差でもありません。これこそが「グリット」です。

「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。

グリットはスタミナを必要とします。1つの夢や目標を実現するために毎日毎日、朝から晩まで、夢中になって頑張り続けることです。それも1週間、1ヶ月といった短期間ではありません。

数年間ずーっとです。頑張って、頑張って努力し続ける、そうすることで、やがて夢や目標が現実のものとなるのです。グリットは短距離走ではありません。長距離走なのです。

(中略)

ではここで、グリットを持った子供を育てるために1番役立つと思われる、「グロースマインド・セット」という考え方を引用します。

「グロースマインド・セット」というのは、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士が発展させた考えで、内容としては「知能は生まれつき固定されたものではなく、後天性のもの、努力を重ねることによって変えることができるものである」という考え方です。

ドゥエック博士の研究では、子供たちに脳と知能の発達について予め学習させ、知能は生まれつきのものではなく、挑戦し続けること、努力することによっていくらでも伸ばすことが可能であると教え込んだ後に難しい問題を解かせると、子供たちは難しい問題に対しても失敗を恐れず、自ら進んで挑戦しようとすることが分かりました。

なぜなら、彼らは失敗することについて、永遠に続く致命的なものではないと知っているからです。ですからこの「グロースマインド・セット」という考え方は、どうすればグリットを育てられるかを説明する上で、とても素晴らしい考え方です。

引用元:成功者が共通して持つ「グリット」という能力–才能でも、努力でもない第3の要素とは?
http://logmi.jp/32006

「学校は子どもの創造性を奪っている」

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思想家ケン・ロビンソン卿は、数学と語学を最重要視する現代の教育制度を、子どもの創造性を奪うものだとして見直しを求めました。

今日の教育制度は、学力という考え方が前提になっています。それには理由があります。世界中で教育制度が作られたのは19世紀ですが、それ以前には公教育が存在していませんでした。産業主義のニーズを満たすために教育制度が産み出されたのです。だから、教科の序列は2つの考えに根ざしています。

1つは、仕事に最も役立つ教科がトップということです。ですから、子どもの頃、学校で「それでは決して食べていけないから」という理由で、好きなことを止められたという経験はありませんか? 

「音楽はやめなさい、音楽家にはなれっこない」「絵なんてやめなさい。画家になるのは無理だ」。善意のアドバイスが、今となっては大間違いです。世界は今、変革の時を迎えているのです。

2つ目は、学力です。知性の概念が学力によって支配されてしまいました。教育制度が大学のイメージに沿って作られたからです。世界中の公教育制度全体が、大学入試に向けた長期的なプロセスと言えるでしょう。

その結果、多くの才能のある優れた創造的な人々が、「自分には才能がない」と思うようになってしまいました。学校で得意だったことが評価されるどころか、非難されてきたためです。そんなことは許されません。

すでに起こっていることですが、ある日突然、学位は何の価値もなくなってしまいました。そうでしょう? 私が学生の頃は大学を卒業していれば、職に就けました。就けなかった人は、仕事をしたくなかった人です。しかし今では、大学を卒業した若者は家に帰ってテレビゲームで遊び続けています。

昔は学士号が必要だったのが、今では修士号、そして博士号が必要だからです。ユネスコによると、今後30年のうちに、世界中で史上最多の人々が高等教育を受けて巣立っていくそうです。学歴のインフレが起こっているのです。教育の構造全体が足元から変わろうとしています。知性に対する見方を根本的に考え直す必要があります。

引用元:「学校は子どもの創造性を奪っている」 世界の教育制度に一石を投じた、TED史に残る名プレゼンを書き起こし
http://logmi.jp/15682/2

いじめが9割減少した「

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社会起業家を世に輩出してきた渡邉奈々氏が、学力重視の教育やリーダーシップ教育よりも先にすべき教育があると語ります。彼女の語った「empathy(エンパシー)」とは?

人に一番必要な資質はempathy(エンパシー)だ、というのが私の今の結論であり、また先端的な大きな教育機関の結論でもあります。

英語ではempathy、日本語では訳がないので、あえて訳すと「他人の気持ちや感情を理解したり、人の立場になってその人の心の痛みがわかること」。そういう能力がなければ、チェンジ・メイキングも、リーダーシップもまったく無意味だ、っていうことがコンセンサスのようです。

ではどうしたらempathyって教えることができるのか? ということになりますね。この場合、私は、教育を2つに別たいんです。empathyを高める教育、それは幼稚園、できたら生まれたときから、小学生にかけて。そして、中学生でチェンジ・メイキング、高校生でリーダーシップ。これが理想の形だと思います。empathyから始めなくてはいけない。

empathyを教える、高める教育というのは、実はもうあるんですね。例えばカナダでは「Roots of Empathy」っていうのが国中に広がっていて、週1回45分のクラスを子供たちが9か月取っただけで、その子たちの間でのいじめや仲間はずれが9割減ったという調査結果が出ています。これは各国に広がりつつあって、ニュージーランド政府とオーストラリア政府、それからアメリカのシアトルが取り入れています。それからドイツにも、もう入っています。

あとは、オランダの素晴らしい教育で、「ピースフルエデュケーション」というのがあって、これもオランダ中に広がっています。それで、今「ピースフルエデュケーション」を日本に導入する、という具体的な動きがあるところです。他にも、ニューヨークの「Piece First」とか、いろいろなプログラムがすでに効果を生んでいます。

来年から日本でやろうと思っています。empathyを高める教育をどういう風にやるかというと、まずは私が話したビジョン、empathyを持ち込むことによって、20年、25年後の日本が絶対に変わっていくはずです。

引用元:いじめが9割減少! リーダーシップよりも先に身につけさせるべき「empathy教育」とは?
http://logmi.jp/13425

アンジェラ氏は「グリット」の定義について、物事に対する情熱であり、何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって物事を最後までやり遂げる力、と紹介しています。

パナソニックを創業した松下幸之助氏は「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」という言葉を残したとされています。「グリット」の意味と非常によく似ていると感じないでしょうか?

成功者とされる方々は「グリット」の重要性に昔から気づいていたのかもしれませんね。

※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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