日本の視覚障害者のうち、点字を使っているのは、どのくらいでしょうか?
10%くらい?
私は盲学校育ちで、全盲の友だちに何かとモノを書きたくて、点字を覚える機会に恵まれました。
弱視なので普段は点字を使用しませんが、人前で話をする時など、実は便利に活用する時があります。
フランスのバランタン・アユイ盲人福祉協会の雑誌に出ていた記事によると、フランスでも点字の危機が叫ばれているようです。
フランスの視覚障害者は、全盲が6万5千人、弱視が120万人。
この「弱視」は、ちょっと基準が緩めかも知れませんね。
いずれにしても、この中で何時も点字を使っているのは、何と、7000名くらいだそうです。
実に、1%にも満たないのです(゜o゜)/
米国にある2つの大きな視覚障害当事者団体の1つ、全米盲人連盟(NFB)の調査では、1963年には130万人の米国の視覚障害者の内51%が点字を使用していたけれど、2007年には10%、2011年には9%に減少しています。
フランスで就学している視覚障害児で点字を使っているのは25%。
記事の中では、点字の使用が減少している背景を分析しています。
1.実は余り好まれていないのでは?
米国には北米点字委員会(BANA)があり、フランスにも「フランス点字発展委員会」(CEBF)みたいな意味の組織があり、点字表記の調整を色々と行っています。
http://www.brailleauthority.org/
特にフランスでは、こうした点字表記を標準化したり調整したりする機関への政府の支援が、余り前向きに思えないようなのです。
CEBFの3年毎の更新が何時も不確実だし、2009年に生誕200周年を迎えた点字発明者ルイ・ブライユに関する式典にも、政府の関係者が列席しなかったとか?
せっかくのフランスの偉人なのにねぇ。
視覚障害や彼らを取り巻くコミュニティ全体として何となく、点字は時代遅れといった風潮があるのではないか…とも。
2.テクノロジーの問題点
録音図書やパソコンの合成音声を聞く方がどうしても、点字の触読より簡単なので、視覚障害児も音声の情報源に流れていくそうです。
記事の中では、点字を使えないということは、文字を持たないので識字ではなくなるリスクを指摘しています。
私も、持論として、自分がコントロールできる「文字」を持つべきだと思っていますが、きっと学術的な研究か何かで、もっとしっかりした理論をお持ちの方が大勢いるでしょう。
3.教育現場の変容
盲学校ではなく一般の学校で学ぶ視覚障害児が増えていますが、盲学校に通わないと中々点字をしっかり学ぶ機会に出会いません。
点字を使いこなせる教師自体、そんなにいるわけではないということのようです。
健常者の先生だと、点字は知っていても、視覚障害者みたいに両手を使って指で読む方法を取らないので、きちんとした読み方を教えることが難しいでしょう。
まあ、そうだろうなぁ…
学習に読み書きは必須ですから、点字が使えないまま一般校で学ぶ視覚障害児の勉学が心配になるところでしょう。
4.弱視の問題
弱視であれば、残存する視力を補助機器を使って有効に使うというのは、基本です。
ただ、その視力がなくなる前に、若い時に点字が読めるようになった方が良いのに、「残存する視力を有効利用」する中で点字を学ぶ機会を逸してしまっている、という指摘です。
フランスの盲学校で、全盲と弱視をある試験に送り出したところ、点字使用者はスムーズに読み書きが出来るので試験に合格したけれど、拡大文字使用者は探すのに時間が掛かって不合格だったそうです。
日本のように文字表記が非常に複雑で習得が大変なところでは、文字を知っているメリットが相応にあって、少なくとも私が盲学校にいた頃は、点字使用者も(漢点字ではなく)漢字の勉強をしていました。
要は、本当は弱視も点字を勉強する必要があるのではないですか?という問題提起ですね。