昨年、韓国の温室効果ガスの排出量が、1998年以降では初めて減少に転じたことが分かった。とりわけ、韓国経済がプラス成長を続けながらも、温室効果ガスの排出量を削減できたのは、90年に国が温室効果ガスについての統計を取り始めて以来、初めてのことだ。一部の専門家たちは「欧州連合(EU)のように、韓国も温室効果ガスの削減と経済成長の両立が可能だということを示した第一歩だ」との見方を示した。
本紙が22日に入手した政府の内部文書によると、昨年の実質国内総生産(GDP)は、前年に比べ3.3%増加したが、温室効果ガスの排出量は6億9360万トンで、前年(6億9760万トン)に比べ0.6%減少した。アジア通貨危機によってGDPと温室効果ガスの排出量がともに減少した98年を除くと、90年以降、年平均5%台のGDP成長率を記録するのと同時に、温室効果ガスの排出量も毎年約3.9%(1700万トン)ずつ増加し、経済成長と温室効果ガスの排出量が比例する構造にあったが、昨年はこのような構造が初めて崩れたことになる。
政府の消息筋は「昨年は原子力発電所の稼働率が上昇したことで、温室効果ガスを多く排出する火力発電による電力供給が減少したことが、主な要因だ」と話した。一方、現代経済研究院のイ・ヘジョン研究員は「政府が進めてきた温室効果ガスの削減政策に加え、企業のエネルギー効率化などの取り組みも、経済成長を持続しつつ温室効果ガスを削減することにつながった」との見方を示した。