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■南十字星の下で

 オーストラリアのジョー・ホッキー財務相が、また「失言」した。

 彼は以前、ガソリン税の値上げを検討した時に「貧しい人たちは車を持っていないか、そんなに遠くへは運転しないから影響ない」と言ってひんしゅくを買ったことがある。シドニー中心部や駅近くの高額な住宅物件と無縁な層にとって、逆に車は必需品なのだ。

 今回は、「バブルではないか」と言われるほど高騰しているシドニーの住宅市場について。シドニー北部の高級住宅地ハンターズヒルに時価数億円の家を持つホッキー氏は、記者会見でこう言い放った。

 「家を買いたいなら、給料が高い仕事を見つけて、銀行へ行って、ローンを申し込めばいい」

 うーん、これはひどい。そんな仕事につけるなら、誰も苦労しない。もう、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と同じ次元かもしれない。

 いま、私の周りでは、この失言を皮肉った冗談がはやっている。「家を買いたいから、ちょっと良い仕事を見つけてくるわ」とか「銀行に借金したから、そろそろ高給取りになれるはずだよね」とか。とにかく、ホッキー氏には「大衆の気持ちがわからない」の烙印(らくいん)がしっかり押された。