採用情報
今回の登場人物
栗林 健太郎(あんちぽ)
人間たちからあんちぽくんと呼ばれるペパボの執行役員CTOとして頻繁に登場。座右の銘は「どうにかなる日々」。
高橋 直人(ナッツ)
希望に満ち溢れたminneのAndroidエンジニア。座右の銘は「常識なんて知らねえ。常識の意味も知らねえ」「権謀術数」。
田代 愛
チームで日々愛嬌を振りまくminneのAndroidエンジニア。座右の銘は「明るい人生設計」。
ペパボの執行役員CTOであるあんちぽくんが今会いたいエンジニアを招き、技術や仕事の枠を飛び出して話を聞く通称『あんちぽの部屋』。今回のゲストは、ペパボで今最も注目されているCtoCハンドメイドマーケットminne(ミンネ)のAndroidアプリを開発している2人を迎えてお話を伺います。
minneのAndroidアプリ、私たちが作ってます
- あんちぽ
- 今日は、今ペパボが最も力を入れているサービスであるminneから、アプリを作っているエンジニアのお二人に来てもらいました。よろしくお願いします。
- 一同
- お願いします。
- あんちぽ
- じゃあ、まず自己紹介をしてもらえますか。じゃあ、採用目的さんから。
- 愛ちゃん
- (笑)
- ナッツ
- はい、採用目的です。というのは冗談で、会社ではナッツと呼ばれています。2014年の11月からminneのAndroidアプリを作っています。
- あんちぽ
- 最初からAndroidアプリの開発を担当していたんですか?
- ナッツ
- 前職ではiOSアプリの開発をやっていたんですが、ペパボにはAndroidアプリの開発者として入社しました。既存アプリの機能追加などを手がけたあとで新規サービスのiOSアプリ開発にアサインされて、そのあとminneを担当している部署に異動して、またAndroidアプリの開発をするようになりました。
- あんちぽ
- minneのアプリで、ナッツさんが担当した機能にはどんなものがあるんですか?
- ナッツ
- 直近だと、アプリを起動したときに表示されるスワイプメニューを担当しました。あとは、最近リリースされたレビュー閲覧機能も作りました。他には、助っ人としてiOSアプリのコンビニ決済の部分も担当しました。
- あんちぽ
- iOSもAndroidも知見を持っているので、どちらもやれるよ!という感じで臨機応変に開発に携わってるんですね。では、愛ちゃん、自己紹介をお願いします。
- 愛ちゃん
- はい。田代愛です。今、ナッツと一緒にminneのAndroidアプリを作ってます。JUGEM(ジュゲム)やブクログのAndroidアプリを担当したり、人手が足りないときに他のサービスのAndroidアプリの修正をしたりしてきましたが、2年ほど前にminneのAndroidアプリを作るということになって、開発を最初から担当しています。
- あんちぽ
- ありがとうございます。じゃあ、もうちょっとエンジニアとしての2人についてお聞きしたいと思います。ナッツさんはなんでアプリのエンジニアになったんですか?
- ナッツ
- 初めて入ったSIの会社で一番最初に任されたのが、キャリアにプリインされてるアプリの運用と改修だったんです。それからずっとiアプリを担当してたんですけど、そこから、2009年頃に最初のAndroid端末がドコモから出て。iアプリを担当していた流れで、Android用のアプリも作るようになったという感じです。
- あんちぽ
- それからペパボに入ったということは、モバイル一筋っていうことですよね。愛ちゃんはどうですか?
- 愛ちゃん
- 私、実はそもそもプログラミングを始めて5年くらいしか経っていないんです。それまではずっと服やCDの販売の仕事をやっていました。その一方で、趣味でウェブサイトを作ったり、Movable Typeでブログを作ったりしたんですが、5年前にスマートフォンを初めて手にしたときに、主人が「アプリ作ってみたら?」って軽い感じで言ってきたんですよね。
- あんちぽ
- プログラミング自体、それまでしたことがなかったんですね。
- 愛ちゃん
- 全くしたことなかったんですよ。軽い気持ちで始めて、今に至るっていう感じです。
- あんちぽ
- きっかけの言葉はあっても、実際に取り組んでコードを書くのって大変じゃないですか。どうやって乗り越えたんですか?
- 愛ちゃん
- ネットで一から調べながら始めたんですが、せっかくならエンジニアとして働けるようになりたいと思って、職業訓練校に通って勉強しました。1年ほど通って卒業するときに、ずっと好きだったペパボの中途採用に応募して、今に至るんです。
- あんちぽ
- なんか、面白い感じですね。そういう意味では、愛ちゃんもずっとモバイルをやってきましたっていう感じなんですね。
- 愛ちゃん
- そうですね。ペパボに入ってからもAndroidしかやってないので、キャリアとしてはAndroid一筋です。
- あんちぽ
- ペパボでモバイルやってる人の中でも珍しいかもしれないですよね。ずっとブラウザベースのサービスをやってきた会社なので、ウェブやインフラに関してはすごく知見や経験がある。なので、これまでウェブ開発をやってきた人が、今はモバイル開発をやっているという場合が多いと思うんです。その中でずっとモバイルやってきましたっていうのは、お二人ぐらいじゃないですか。
- ナッツ
- そうかもしれないですね。
- あんちぽ
- ナッツさんは、どうしてペパボに入ろうと思ったんですか?モバイルキャリアのお仕事と、ペパボのような自社サービス開発のお仕事、一見すると全然違うように思われるんですが。
- ナッツ
- もともと仕事ではAndroidをやっていたんですが、趣味でiOSアプリを作ってたんです。その頃ペパボに、今は株式会社バーグハンバーグバーグのシモダさんっていう方がいらっしゃって、その方と話していたときに「高橋くん、何かアプリ作ってみようか」みたいな話になって。あ、僕、本名高橋っていうんですけど。
- 一同
- (笑)
- あんちぽ
- ペパボに入社する前に、シモダさんとはお知り合いだったんですね。
- ナッツ
- 以前ブログを運営していたときに知り合ったオモコロスタッフの方に、紹介してもらったのがきっかけです。そのときに、ワンスターっていうブランドを作ろうっていう話になりまして。
- あんちぽ
- ワンスターとは?
- ナッツ
- 評価の星が1しかつかない、くだらないアプリを作ることがコンセプトのブランドです。
- あんちぽ
- ああ、なるほどね(笑)。
- ナッツ
- それで最初に作ったのが「カメラキャップ」っていう、写真を撮っても撮っても真っ暗な画像しかカメラロールに出てこないアプリ。カメラキャップがくっついてるから。でもたまに、シモダさんが描いた変な絵が出てくる。もちろんクソアプリだったんでレビューはひどくて、ワンスターだったんですけど。でもワンスターだからこそ話題になって、注目のアプリとして取り上げられたりしました。そういう経緯があった上で、ちょうどその頃ペパボはもっとアプリに力を入れようとしているという話も聞いて、自分にとって魅力的な環境だと思ったので入社を決めました。
- あんちぽ
- ペパボに入社して一番最初にやったお仕事は何なんですか?
- ナッツ
- JUGEMで新しい切り口のアプリを作ろうという企画が立ち上がったので、モックを作りました。結局途中で挫折しちゃったんですけど、それが最初の仕事です。
- あんちぽ
- 企画の段階から参加していたんですか?
- ナッツ
- そうですね、ディレクターと一緒に企画を作りました。当時所属してた事業部には、規模は小さくてもいいからたくさんリリースしようという方針があったので。その中の一つとしてやってました。
- あんちぽ
- その頃のナッツさんの代表作ってなんですか?
- ナッツ
- 30days AlbumのAndroidアプリの機能追加ですね。
- あんちぽ
- 既にリリースされていたものに、ナッツさんが機能追加していったということですね。そのとき、愛ちゃんもナッツさんと同じチームにいたんですよね。どんなものを作っていたんですか?
- 愛ちゃん
- マスコットキャラクターを設けて、そのキャラクターを使ってユーティリティアプリを作っていました。例えば、Androidのメモリーを開放するアプリとか、インカメラを鏡のように使うアプリとか、いっぱい作っていましたね。
- あんちぽ
- じゃあ、たくさん作った中でも愛ちゃんの代表作って何ですか?
- 愛ちゃん
- JUGEMでPICTO(ピクト)っていう、ブログの中で使う絵文字を作れる機能があるんですけど、その絵文字を写真にデコってシェアできるアプリです。それが、台湾ですごくヒットしました。
- あんちぽ
- 海外で自分の作ったアプリがヒットしたことについて、どう思いましたか?
- 愛ちゃん
- 自分が行ったことない国の人が使ってくれてるっていうのが不思議で、実感は全然沸かなかったんですが、達成感はすごくありました。でも一方で、使ってもらってるんだ!っていう実感が数字でしか見れないのは割ともどかしいな、とも感じていました。
- あんちぽ
- 確かにそうですよね。でもレビューされたりしたでしょ?
- 愛ちゃん
- はい、毎日のようにたくさんレビューが投稿されてました。でも全部現地の言葉だったんで、当時は頑張って翻訳しながら読んでましたね。
- あんちぽ
- すごくいいアプリです、みたいな?
- 愛ちゃん
- 漢字2文字で「かわいい!」みたいなことが書いてあるんですけど(笑)。
- あんちぽ
- いいっすね、それ。
- 愛ちゃん
- そうか、かわいいって思ってくれたんだなあって、ほんわかしました。
- あんちぽ
- それはいいですね。アプリはこれまでのペパボのサービスに比べて海外展開しやすい側面があるので、そこは結構面白いなと思うところです。お二人の歴史を伺ったところで、再びminneの話に戻りたいんですが、Androidアプリはリリースまでどれぐらいかかりました?
- 愛ちゃん
- 着手してからリリースまで、半年ぐらいです。
- あんちぽ
- Androidアプリに着手するとき、iOSアプリはもうリリースされていたんですよね。
- 愛ちゃん
- そうです。なので、とにかくまずはiOSの機能に追いつかなきゃいけない!ということになって、もう必死で、スピード重視で作っていました。作家さんの使える機能とお客さんが購入できる機能を一通り使える状態まで持って行って、まずはリリースして、機能追加して、リリースして…を繰り返していった感じです。
- あんちぽ
- 「minneのAndroidアプリ作るから、愛ちゃんよろしく!」みたいな感じで始まったってことですよね。1人でイチから作るのは大変だったんじゃないですか?
- 愛ちゃん
- はい、大変でした(笑)。リリースしてからもずっと1人で、相談する相手もいなかったので、もくもくと作業していたんですけど…今はナッツが来てくれたので、結構楽しく開発してますね。
- あんちぽ
- 今、話してるだけでもにこにこしてますもんね(笑)。徐々に大規模になって仲間も増えて、最近のminneアプリの開発はどういう体制になっているんですか?
- 愛ちゃん
- Androidエンジニアは2人。iOSエンジニアは3人です。
- あんちぽ
- エンジニア以外にはどういう役割の人がいるんですか?
- 愛ちゃん
- 基本的にアジャイル開発手法のスクラムという形式をとっているので、プロダクトオーナーが1人と、あとはデザイナーが2人。
- ナッツ
- サービスにはもっとデザイナーがいるんですけど、アプリ専属のデザイナーは2人です。
- あんちぽ
- アプリの機能を追加するときはリリースまでにどういった流れがあるんですか?
- ナッツ
- あらかじめ、作りたい機能をストックしてあるんですが、その中からプロダクトオーナーとディレクターが優先順位の高い方から直近2週間で取り組むものをピックアップして、エンジニアやデザイナーと共有します。そのあと、それぞれのタスクについて工数を見積もって、実際に着手します。こういうやり方になったのは、つい最近なんですけどね。
- あんちぽ
- どうしてそういうやり方にしようと思ったんですか?
- ナッツ
- チームメンバーが増えてきたことと、今年はこれまでにない規模でminneに投資するフェーズなので、もっとスピードと質を上げて対応していかないといけないという流れになったのが理由です。ペパボでスクラムを導入した実績のあるJUGEMから、スクラムマスターのわじさんに入ってもらって、今の体制になりました。
- あんちぽ
- 小さいチームだったときはディレクターやデザイナーが掛け持ちでいろんな作業をしていたのが、規模が大きくなってきてタスクを回しづらくなってきたので、いわゆるスクラムみたいな感じでやり始めたっていうのが今の感じですよね。愛ちゃんはその辺の変化ってどう感じてらっしゃいますか。
- 愛ちゃん
- 人が増えて、以前のスピード感をそのまま保てるのかなってすごく不安だったんですけど、スクラムを始めてからスピード感が前より出てる気がしてます。
- あんちぽ
- 人が増えた直後は混乱したかもしれないけど、やり方を変えてみたことによって、前よりもさらにうまくチームプレイができるようになったということですね。
- 愛ちゃん
- そうですね。
- あんちぽ
- アプリって、一般的に1人で作っていくイメージがあるんですけど、minneの場合は愛ちゃんが1人で担当してきたところにナッツさんがあとから入って、大変なことはなかったんですか?
- 愛ちゃん
- 最初は不安でした。さっきと同じで、スピード出るかなとか、そもそも一緒にうまくやっていけるかなとか…。
- あんちぽ
- ちょっと不安があったわけですね。
- 愛ちゃん
- そうですね。2人いるんだったら、1人のときより2倍の速度で開発できないとおかしいと思っているので、どうにかしてスピードを上げていかないと、と思ってたんですが、結果的にナッツとはうまくいってるんですよね。
- あんちぽ
- なんでですかね。
- 愛ちゃん
- なるべくチャットじゃなくて口頭でコミュニケーションをとるようにしてます。着手してる作業の規模が予想より大きくなってきたな、と思ったら、直接話したほうがうまく意識合わせできるので。
- ナッツ
- あとは結構ほめあってるよね。「それ絶対いいじゃん!」とか「完璧じゃん!」とか、大げさなくらいに。
- 愛ちゃん
- そうですね。あと私、ずっとコードレビューしてほしかったんです。1人のときは相手がいなかったので、レビューされることがなくて。毎回、このままリリースして大丈夫なのか!?という不安を抱えたまま過ごしてたんですけど、ナッツが来てからお互いのレビューができるようになって安心感が生まれたし、自分の足りないところを指摘してもらえたり、前よりもわかる範囲が広がったりして、個人的な技術力も向上したなって感じがします。
- あんちぽ
- コードレビューってテキストで伝えないといけないし、どうしてもあら探しみたいになりがちだから、言い方1つでギスギスしてしまうこともありますよね。だから、大げさに褒めるというのも大切かもしれないです。これからサービスの規模が大きくなるにつれて、更にメンバーが増えていくと思うんですけど、技術力はもちろん、今、お二人が説明してくれたようなコミュニケーションにうまく溶け込んでくれる人だと安心ですよね。会社全体としても、みんなと仲よくしていくことがいいものを作る前提だよねっていう考え方をしてるんで。
- ナッツ
- 最初だけはやっぱり不安になるかもしれないんですけど、基本的にペパボに入社される方って、ペパポの大切にしてほしい3つのこととか、ちゃんと把握されてる方だと思うので、基本的に心配はしてないです。
~第2話へつづく~
バックナンバー
No.011 minneのAndroidエンジニアの話
No.010 matsumotoryの話
No.009 ファンづくりの流儀の話
No.008 エンジニア評価制度の話
No.007 2014年と2015年の話
No.006 新卒入社の話
No.005 minneチームの話
No.004 福岡支社の話
No.003 新旧デザイナーたちの話
No.002 81世代エンジニアの話
No.001 SUZURIの中の話