マイナンバー保険:流出補償の企業向け 損保ジャパン

毎日新聞 2015年06月20日 15時00分

マイナンバー保険の仕組み
マイナンバー保険の仕組み

 来年1月にスタートするマイナンバーを対象にした企業向けの保険を、損害保険会社大手の損保ジャパン日本興亜が今秋から売り出す。企業が管理する社員やアルバイトのマイナンバーが不正なアクセスやウイルス送付などのサイバー攻撃で外部に流出した際の被害を補償する。マイナンバーを保険の対象に明記するのは初めて。日本年金機構の情報流出が発覚したことで制度の先行きが不安視される中、一定のニーズがあると判断した。

 マイナンバーは日本のすべての居住者に12桁の番号を割り振り、国や自治体の個人情報をつなぐ制度。年金や児童手当の給付、確定申告などの税の手続きでマイナンバーの記載が必要になり、企業には社員やアルバイトのマイナンバーの厳格な管理が求められている。番号を漏えいした際の罰則規定もあり、最も重い刑事罰では「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科せられる。

 マイナンバー保険は、企業がサイバー攻撃を受けて個人情報が流出した際に生じるシステム改修費や、損害賠償などの訴訟費用のほか、マイナンバーを悪用された社員らの被害などを補償の対象とする。10月に個人番号の通知が始まるのに合わせて売り出す。年金機構の情報流出が問題になる中、損保ジャパン日本興亜は「マイナンバーは年金や医療保険などの個人情報と結びつくものなので、攻撃を受けるリスクは高まる」とみている。既に、損保各社はサイバー攻撃で個人情報が流出した際の被害を補償する企業向けの保険を取り扱っているが、損保ジャパン日本興亜は保険の約款を変更してマイナンバーを補償対象に新たに加えて商品化する。

 サイバー攻撃の対策システムを研究している国立研究開発法人「情報通信研究機構」によると、機構の提携先の企業や自治体、大学に対する不審なアクセスのうち、昨年度はサイバー攻撃とみられるものが256億件に達し、前年度から倍増した。一方、日本企業は欧米と比べてサイバー攻撃への対策が遅れており、大手損保によると、保険の加入率は5%未満という。

 ただ、損保各社にはサイバー攻撃に関する企業からの問い合わせが急増しており、今後は保険商品が広がっていくとみられる。東京海上日動火災保険は不正アクセスがあった時点で侵入経路などを調査する費用を補償する中小企業向けサービスを10月に始める。三井住友海上火災保険は7月からサイバー攻撃被害の補償の上限額を、これまでの5000万円から10倍の5億円に引き上げる。【土屋渓】

 ◇マイナンバーの主な利用分野

 分 野   内 容

社会保障 年金や医療保険などの資格取得、給付

     生活保護や児童手当の給付

税  金 確定申告などの届け出

災害対策 被災者生活再建支援金の支給

     被災者台帳の作成

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