きんどうをご覧のみなさま、こんにちは。虚構新聞社社主のUKです。先日は50%還元セールのおすすめ記事をお読みいただきありがとうございました。
さて、いつもとは逆に社主からzonさんに「マンガを1作品、どうしても紹介したいから書かせてくれ!」と頼んで、無理やり押しかけさせてもらいました。その1作品とは本日最新第3巻が発売された、つくしあきひと先生の「メイドインアビス」(竹書房)です。
本作のように作画からキャラからストーリーからここまで隙がなくハイレベルにまとまったマンガはそうそうありません。多くの方に本作の魅力を知って欲しい、この切なさを伝えたいので全力で見どころを語らせてください。
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メイドインアビス(1)
つくしあきひと (著)
価格:819円 ★★★★★ 16件のレビュー
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた(……)幻想と機械が入り混じる大冒険活劇、第一巻!
メイドインアビス(2)
つくしあきひと (著)
価格:820円 ★★★★★ 8件のレビュー
呪いを湛えた大穴『アビス』。底知れぬこの秘境の大穴に、少女・リコは挑もうとしている…。偉大な探窟家であり、生き別れの母・ライザに会うために。(……)まだ見ぬ深さに期待を募らせる彼らであったが。魔窟『アビス』は、ふたりを容赦なく飲み込んでゆく…。
メイドインアビス(3)
つくしあきひと (著)
価格:820円
母・ライザに会うべく少女・リコと機械人形・レグは、この大穴に人生をかけて挑んでいく。手探りながらも順調に探窟も進めていくリコとレグ(……)絶体絶命の状況の中、二人の前に現れたのは…?友情と悲哀が入り混じる大冒険活劇、第三巻!!
【社主号泣】『メイドインアビス』について語らせてください
実は本作、ITニュースサイト「ねとらぼ」で連載している「ウソだと思って読んでみろ!」の年末企画「「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2015」で、樫木祐人先生の「ハクメイとミコチ」(KADOKAWA)と並んで1位に選んだのですが、そのことがご縁で今回光栄にも3巻の帯に推薦コメントを書かせてもらうことになりました。
前巻の帯コメントがアニメ「ハレグゥ」や「侵略!イカ娘」などの監督で知られる水島努さんだっただけに、連絡をもらったときは「本当に社主でいいんかな……」と思ったのですが、自分が本気で好きな作品のためにできることなら何でもしたいという一心で一筆寄せさせてもらいました。というわけで、今回は思う存分「メイドインアビス」の魅力について語っていきます。
はじめてでもよくわかる『メイドインアビス』の魅力
未踏の大穴「アビス」と謎の少年・レグ
本作の舞台となるのは直径約1000メートル、深さは2万メートルを超え、いまだその最深部にたどり着いた者はいないという大穴「アビス」。「探窟家」と呼ばれる人々は深く潜れば潜るほどその帰路に吐き気や出血、人間性の喪失などが待ち受ける「アビスの呪い」を顧みず、数多く眠るいにしえの秘宝を求め、この大穴の底に挑んでいきました。
そんな探窟家たちによって作られたアビス周縁・オースの街にある孤児院に暮らす少女・リコは伝説級の探窟家「白笛」を目指すも、まだまだ見習いの「赤笛」。深界7層まであるアビスの1層「アビスの淵」でお金になる遺物を回収しながら、孤児院の仲間たちと日々暮らす彼女はある日、少年のようなロボットを見つけます。
リコが見つけた少年ロボット・レグ
リコによってレグと名付けられたこの少年ロボットは、自分がいったい何者なのか、なぜアビスの淵に倒れていたのかなど、自分の過去が全く思い出せません。けれど、リコたち孤児院の子どもたちとともに暮らしていくにつれ、そんな過去は別として、みんなと同じ探窟家としての道を歩んでいくかに見えました。
母の背中を追って
しかし、そんなリコたちに転機が訪れます。かつて消息を絶った伝説の白笛「殲滅のライザ」の遺品が地上に帰ってきたのです。そしてそのライザこそ、リコが幼き頃に離れた母親でもあるのです。
地上にもたらされたライザの探検メモに書かれていたものは誰も見たことがない深層に生息するモンスターの数々、第7層近くで彼女が目撃したというレグにそっくりな正体不明のヒトガタの影、そして走り書きのように書かれた「奈落の底で待つ…」という手紙。
母ライザが残した「奈落の底で待つ…
生まれてすぐアビスに潜ってしまったため顔も覚えていない母・ライザが待つアビスの底を目指す決心をしたリコ、そして自分にそっくりなスケッチを見て今ひとたび自分が何者なのか知りたくなったレグ。アビスの呪いの影響を受けないロボット「奈落の至宝(オーバード)」の自分だからこそリコを守れると、レグは彼女に同行することを決めます。
ひとたび深く潜れば二度と地上に戻ることのできない一方通行の冒険はこうして始まりを告げるのです。
旅立ち、そして愛
2人の道中を待ち受ける困難は過酷な環境、獰猛なモンスターだけではありません。特に第2巻の見どころでもある白笛「不動卿・動かざるオーゼン」との出会い、そしてリコの出生の秘密は読んでいて心に突き刺さるものがあります。それは何より作中で描かれる「死」の圧倒的な存在感、またそれは裏返せば生きることの尊さでもあります。
不動卿・オーゼン
年端もいかない少年少女が直面するあまりにも非情な現実に、読者である社主の方こそ目をそむけたくなりますが、それを真正面から受け止めるリコとレグの強さ、そして彼女らを取り巻く大人たちの、厳しさの中に内包するやさしさにも注目してほしいです。
第1巻のテーマが「旅立ち」だとすれば、第2巻のテーマは「愛」……ですかね。愛にはいろんな形があることを思い知らされた第2巻でした。
このように本作は「次から次へと襲ってくる敵をやっつけては前進あるのみ」という一本道の冒険譚とは一線を画しています。
成れ果て・ナナチとミーティ
さてさて、本日発売第3巻の見どころは何と言っても新キャラクター・ナナチをめぐるエピソードです。
今巻初登場の成れ果て・ナナチ。大人気!
「んなぁー」が口癖、今巻の表紙にも大きくフィーチャーされている「成れ果て」ナナチは、そのすばらしいキャラデザインにより、登場後まもなく一部方面から圧倒的人気を集めていますが、リコ&レグだけでなく、ほとんどすべての登場人物が個性的かつ魅力的なのがつくし先生のすごいところ(ちなみに社主は不動卿の弟子・マルルクが大好きです! マルルクかわいいよマルルク)。
しかしそんなナナチの愛らしい外見とは裏腹に、その親友・ミーティとの過去をめぐる物語は第2巻を超えるつらさと哀しさに満ちています。
ナナチが「んなぁー… さすがに言いづれーんだけどな」と、頬を赤らめながらレグに頼んだ
「ミーティを殺してくれ」
という言葉の真意。これはぜひ実際に読んで確かめてみてほしいです。「マンガに関してはウソを書かない」がモットーの社主なので、これは信じていただきたいですが、このナナチのお話は本当に泣きました。「こんなに残酷で切ない話があっていいものか」と。
当初、帯コメントは「社主号泣」にしようかと考えたものの、何のことかわからないだろうと思い直した結果、今回の文案にまとまりましたが、ボツ案「社主号泣」もまた嘘偽りない感想です。
最新3巻は本日リリース!つくしあきひと『メイドインアビス』
メイドインアビス(3)
つくしあきひと (著)
価格:820円
恐るべき呪いを秘めつつも、人々を魅了して止まない底知れぬ大穴『アビス』。母・ライザに会うべく少女・リコと機械人形・レグは、この大穴に人生をかけて挑んでいく。手探りながらも順調に探窟も進めていくリコとレグ(……)モンスターに襲われて、冒険の大ピンチに陥ったリコとレグ。そんな絶体絶命の状況の中、二人の前に現れたのは…?友情と悲哀が入り混じる大冒険活劇、第三巻!!
メイドインアビス(2)
つくしあきひと (著)
価格:820円 ★★★★★ 8件のレビュー
深く潜った者を決して帰さない、呪いを湛えた大穴『アビス』。底知れぬこの秘境の大穴に、少女・リコは挑もうとしている…。偉大な探窟家であり、生き別れの母・ライザに会うために。存在するかも定かではない『奈落の底』への到達…。(……)まだ見ぬ深さに期待を募らせる彼らであったが。魔窟『アビス』は、ふたりを容赦なく飲み込んでゆく…。
メイドインアビス(1)
つくしあきひと (著)
価格:819円 ★★★★★ 16件のレビュー
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた(……)ある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?幻想と機械が入り混じる大冒険活劇、第一巻!
おわりに
と、いうわけで「メイドインアビス」の魅力について、――今回はその一端の一端ではありますが――、語らせてもらいました。
1巻を読んだときから、こんなに素敵なマンガは年に1冊あるかどうかというほど気に入っていた本作。3巻の発売日に合わせて何か書きたいと思ってはいたものの、残念なことに社主にはそれをがっつり紹介できる場所がない……と、困っていたところ、以前「ねとらぼ1位記念セール」として「メイドインアビス」セール企画まで組んでもらったきんどうさんなら書かせてもらえるのではないか――、というわけで冒頭の話につながります。この場を借りて掲載快諾のお礼申し上げます。
本当はまだこの倍ほど書けるのですが、本作は読者の意表を突く秀逸なストーリー展開も多く、書けば書くほど未読のみなさまの楽しみを奪ってしまいそうなので、このあたりでとどめておきます。
ただ、最後にもう一度書いておくと、作画からキャラからストーリーからここまで隙がなくハイレベルにまとまったマンガはそうそうありません。愛らしくてとっつきやすい画風からは想像できない、お世辞抜きで「圧巻」という言葉が似合う重量級の作品と言って差支えないでしょう。
マンガ好きならぜひ読んでほしいですし、逆に普段読まない人には「世の中にはこういうマンガもあるのか」と、マンガの世界にはまり込むきっかけにしていただければ、マンガ好きの社主としてこれほどうれしいことはありません。
何の重みもないですが、「メイドインアビス」は社主が責任をもっておすすめします。せっかくの機会なので、ぜひご一読いただければ。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
この記事を書いた人@Kyoko_UK
虚構新聞社社主(しゃしゅ)UKの個人アカウントです。日常生活とか漫画の話とかします。
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