京都・岡崎が重文景観に 院政と近代化の舞台、文化審答申
国の文化審議会(宮田亮平会長)は19日、京都市左京区岡崎地区を中心とする「京都岡崎の文化的景観」を重要文化的景観に選定するよう下村博文文部科学相に答申した。同景観の選定は京都府内では3番目、京都市内では初めてとなる。
選定範囲は、南禅寺や平安神宮などの社寺、琵琶湖疏水や蹴上インクラインといった産業遺産、無鄰菴(むりんあん)など別荘・庭園群を含む左京区と東山区を中心とした112ヘクタール。平安時代には院政の舞台になり、貴族の別荘や六勝寺などが造営された歴史、明治期には琵琶湖疏水の開削や蹴上での水力発電がなされ、京都の近代化を支えた地域の背景が構成要素に盛り込まれている。
重要文化的景観は、人々の生活と地域の産業が一体的に保存されてきた地を選定し、伝統的な景観の保全につなげる制度。今回、岡崎のほか「佐渡相川の鉱山および鉱山町」(新潟県)と「大沢・上大沢の間垣集落」(石川県)も答申されて50件となる。すでに京都では宇治(宇治市)と天橋立(宮津市)の2件、滋賀では水郷(近江八幡市)など6件が選定されている。
ほかに、史跡では、京都は大安寺旧境内附(つけたり)石橋瓦窯(かわらがま)跡(井手町)の範囲確定分と下鴨神社の境外摂社・御蔭神社(京都市左京区)の境内、滋賀は紫香楽宮(しがらきのみや)跡(甲賀市)の道路遺構などが追加指定される。
全国では「多田銀銅山遺跡」(兵庫県)など6件を史跡に、景勝地として知られる「大歩危(おおぼけ)」(徳島県)など3件を名勝に、伊万里湾カブトガニ繁殖地(佐賀県)など3件を天然記念物にするよう求めた。
■生活に根付く景観
岡崎地区の保存計画策定委員長を務めた高橋康夫京都大名誉教授(建築史)の話 岡崎は平安時代には政治の地でもあり、近代では京都の近代化を支える重要な役割を果たしてきた。文化的景観は、生活に根づく生きた景観という点が重要になる。選定を機会に京都市と岡崎の活性化につながってほしい。
【 2015年06月19日 22時20分 】