大野晴香
2015年6月15日19時45分
東山動植物園(名古屋市千種区)で先月、双子のライオンのうちの1頭、メスのステラ(2歳)が死んだ。生前から首にこぶがあることはわかっていたが、死後の検査で、甲状腺にできた腫瘍(しゅよう)だったことがわかった。死因との直接の関係は不明。しかし、もう1頭のソラの首にも同様のこぶが確認されており、園では対応に頭を抱えている。
■良性の腫瘍、徐々に大きく
ステラは2012年6月、同園で生まれた。13年4月、飼育員がステラの首にこぶのような肉のかたまりである腫瘤(しゅりゅう)を確認した。経過観察を続けていたが、腫瘤はじょじょに大きくなり、来園者から「何とかできないのか」と指摘する声も寄せられたという。園は5月11日、除去する手術に踏み切った。
腫瘤は直径17センチで静脈に達していた。手術終了後、ステラは起き上がったが翌日朝、死亡した。死因は急性心不全とみられる。
腫瘤を調べたところ、甲状腺にできた良性の腫瘍だった。獣医師で同園の茶谷(ちゃや)公一・指導衛生係長によると、良性だったためそのままにしておくことは可能だったが、さらに肥大化し、破裂して、大量出血する危険性もあった。
なぜ気づいてからすぐに手術をしなかったのか?
ハードルの一つが麻酔。猛獣のため正確な体重が測れない。体重に合わせ、適正な量を投与しなければ死ぬか、手術中に起き出して事故につながる恐れがあった。同園では、足を骨折したホッキョクグマの治療などで麻酔を使った外科手術は年30件ほど手掛ける。長年のデータを元に麻酔の目安の量を決め、投与するのが実情。「ただ猛獣は難しく、ペットと同じ感覚でできない」と茶谷係長。
残り:340文字/本文:1036文字
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!