韓国産業通商資源部(省に相当)国家エネルギー委員会は12日、韓国で原子力発電所の運営を行う韓国水力原子力に対し、釜山広域市機張郡の古里原発1号機の稼働を停止するよう勧告することを決めた。その結果、これまで当初定められた商業運転の期間を今後も延長するかどうかについて激しく議論が交わされてきた古里1号機の廃炉が事実上決まった。1978年に韓国初の商業用原子力発電所として稼働を開始した古里1号機は、2007年に設計上の寿命とされた30年が過ぎたが、韓国政府が延長を許可したことを受け、今後も17年までの10年間、稼働を続けることがすでに決まっている。
関係者の間では2017年以降も稼働の延長を求める声が根強かったが、11年に日本で東日本巨大地震が発生し、その影響で福島第1原発が爆発事故を起こしたことを受け、国民は原発の安全性について非常に神経質になっている。とりわけ古里1号機と隣接する釜山市では、市民の間で稼働の延長に反対する声が非常に高まっていた。
今回の決定により今後の大きな課題として浮上したのは、古里1号機の解体と撤去をいかに安全に行うかという問題だ。韓国では今のところ研究用の小型原子炉の廃炉を行った経験しかない。大型原子炉の廃炉は原子炉の冷却といった準備段階から始まり、使用済み核燃料の搬出、設備の放射能除去、解体並びに撤去、放射能廃棄物の埋め立て、敷地の復元に至るまで、最低でも数十年はかかる長い作業が必要だ。その過程で放射線による被曝のリスクを完全に除去できる技術の確保も必要になるだろう。また廃炉の過程で当然出てくる放射性廃棄物を埋める最終処分場も確保しなければならない。
韓国国内には現在24基の原発が稼働しているが、その中の5基は2025年までに、さらにそれから5年以内に7基が使用期限を迎える。2013年の時点で全世界で稼働している437基のうち、廃炉の作業が始まっているのはすでに130基を上回る。国は標準タイプの原子炉1基を解体・撤去するのに必要な費用を6000億ウォン(約660億円)と見込んでいるが、中には1兆ウォン(約1100億円)以上が必要との見方を示す専門家も決して少なくない。
先進各国は今後世界の各地で数十年にわたり廃炉が行われることから、廃炉を一つの成長産業と位置づけている。韓国でも2012年以降の10年間、1500億ウォン(約165億円)を投じて廃炉に必要な技術を確保する計画を進めようとしている。今回の古里1号機の稼働停止決定をきっかけに、韓国も廃炉において世界的な競争力を確保することができるよう、今後も国家次元で研究と技術開発を続けていかねばならない。