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2015.6.15 MON
TEXT BY SIMONE VALESINI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
PHOTOGRAPH COURTESY OF UNIVERSITY OF EAST ANGLIA
WIRED NEWS(IT)
研究者たちは10年にわたり、さまざまなゴミムシダマシ科の甲虫の集団を異なるレヴェルでの交配実験を行った。
いくつかの集団では、生殖サイクルごとに、90匹のオスが10匹のメスと交配するために互いに競争した。一方、別の集団では、オス・メスの数の割合をより小さくした。そうして7年間の経過を観察したあとで、研究者たちは、ストレスのかかる出来事に対する集団の抵抗力における、実験のさまざまな条件の影響を評価した。
グループ毎の遺伝的状態を評価するために、研究者たちは同系交配を利用した。つまり、互いに血縁関係にあるサンプル同士を交配させたのだ。子孫に害のある遺伝変異が発現しやすくなる状態で、このプロセスを何世代も繰り返した。
強い性淘汰にかけられた集団は、強い耐性を示して、有害な変異が過度に蓄積して絶滅するまでに、20世代もの間、同系交配によって生み出されて生き延びた。これに対して、性淘汰がより弱かった、あるいはまったくその影響がなかったグループはより耐性がなく、10世代の間にすべて絶滅した。
したがって、オスは役立たずな存在などではなく、彼らが伴侶を見付けるための競争は、種の遺伝的優位性を保つために必要不可欠なのだ。
「これらの結果は、性淘汰がどれだけ重要であるかを示しています。なぜなら、性淘汰はネガティヴな遺伝的変異をなくし、遺伝子プールのなかにポジティヴな遺伝的変異を維持することに役立つからです」と、ゲイジは説明した。
「自身のライヴァルを効果的に打ち負かし、争いのなかで生殖のパートナーを見つけるためには、個体はあらゆる分野で優秀でなくてはなりません。このため、性淘汰は種の遺伝的優位性を維持・改善する、重要で効果的なフィルターとなります。
わたしたちが導き出した結果は、性が支配的な生殖システムであり続けているのは、性選択がこの重要な遺伝的利益を与えることを可能にするからだ、という考えを支持する重要な証拠です」
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