ギリシャ:公共TVラジオERT2年ぶり放送再開

毎日新聞 2015年06月12日 10時31分(最終更新 06月12日 13時00分)

緊縮策に反対するギリシャの共産党系労働組合が開いた集会=ロイター
緊縮策に反対するギリシャの共産党系労働組合が開いた集会=ロイター

 【ローマ福島良典】ギリシャの財政緊縮策の一環で閉鎖されていた公共テレビ・ラジオ放送局ERTが11日、2年ぶりに放送を再開した。「緊縮策の放棄」を掲げて今年1月に誕生したチプラス政権が再開を約束していた。

 サマラス前政権は欧州連合(EU)などから金融支援を獲得するために緊縮策を進め、2013年6月、ERTを年間3億ユーロ(当時のレートで約385億円)かかる「無駄遣い天国」になっているとして閉鎖。規模を縮小した放送局に再編した。しかし、元職員らが再開を求めてデモを続けていた。

 ERTのテレビキャスターは11日、放送再開にあたって「全ギリシャ国民、ギリシャを愛し、情報の自由を求める人々にとって今日は特別な日です」と感極まる様子で語った。

 現地からの報道によると、EU側との支援継続交渉にあたるチプラス首相も首都アテネのERT本社に駆けつけ、「2年間の闘争の末の歴史的な日だ」と笑顔を見せた。チプラス政権は放送再開を「民主主義の勝利」と位置づけ、再編に伴い解雇された元職員約2600人の再雇用を約束している。

 また、緊縮策に反対する共産党系の労働組合は11日、EU側に譲歩しないようチプラス政権に圧力をかけるデモを国会前などギリシャ各地で展開。デモ隊はアテネの財務省を一時占拠した。

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