【城南聯合ニュース】ソウル近郊の城南市で10歳未満の小学生が中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの感染を調べる2次検査で陽性の判定を受けた。同市が12日明らかにした。
市側は、この児童がこれまでMERS感染者が発生した病院や、MERS感染者が立ち寄った病院を訪れていないため、病院外での感染(地域社会感染)である「4次感染」の可能性を指摘していた。4次感染が確認されれば韓国で初となる。
ただ、一方で保健当局は児童が父親と共にMERSに感染する危険性のある病院を訪れたと説明しており、感染経路をめぐって市と見解が食い違っている。
市の保健所の関係者は「われわれの疫学調査では、児童は感染者が発生したり立ち寄ったりした病院を訪れたことはないと把握しているが、再確認中だ」と説明した。
同児童のMERS感染が確定すれば、10才歳未満の児童としては最初の感染となる。保健当局はこれまで、10歳未満の子供はMERSに感染する確率が低いと説明してきた。
城南市によると、男児は父親が9日にMERSへの感染が確認されたため、自宅での隔離措置を受けていた。9日に実施した1次検査では陰性の判定を受けたが、この日行った2次検査で陽性の判定が出た。
保健当局は「児童が暫定的に陽性の判定を受けたが、症状がなく、年齢的に発生が非常に珍しいケースなので、検体採取を再び行い、国立保健環境研究院が再確認中」と説明した。
91番目の感染者である児童の父親は先月27日にサムスンソウル病院の応急室に見舞いに訪れ、9日午前1時30分ごろ、感染確定の判定を受けた。父親は当時、同病院の応急室で治療を受けていた14番目の感染者から感染したものとみられている。
父親の感染が確定したことにより隔離措置が取られた児童は、9日に体温が37.8度に上がり、京畿道の保健環境研究院で1次検体検査を受けたが、陰性の判定を受けた。
児童は発熱の症状が出た後は共に隔離中だった家族以外には外部と接触せず、6日以降登校もしておらず、児童からの感染拡大の可能性は低いという。