追加利下げ判断、MERSが決定的要因に

 韓国銀行が11日、政策金利を電撃的に引き下げたのは、中東呼吸器症候群(MERS)による消費低迷が深刻化しているためだ。MERS感染を恐れ、消費者が外食を控え、映画館など人が集まる場所を避けていることから、飲食業、観光業などで消費が目立って減少した。

 クレジットカード会社A社によると、今月3-7日のカード決済承認額は前月の同じ期間に比べ9.2%減少した。遊園地やウォーターパークでのカード使用額はそれぞれ54%、56%も減少した。カード会社関係者は「蒸し暑さが続く6月にウォーターパークでのカード使用額が前月を下回るというのは、MERSの影響がそれだけ大きいことを示している」と話した。MERS感染を心配し、病院に通院する人も減った。このため、病院でのカード使用額も19.2%減少した。一方、薬局でのカード使用額は8%増えた。

 6月第1週の百貨店売上高もMERS発生前の5月第1、2週の平均に比べ約25%減少した。同じ期間の大型ディスカウントストアの売上高も7.2%減少した。映画館の観客数、博物館の入館者も前年同期をそれぞれ54.9%、81.5%下回った。6月第1週の飲食店でのカード使用額は前年同期に比べ12.3%減少した。先月20日から今月8日まで韓国旅行を中止した外国人は約5万4000人に上る。

 MERSが韓国の景気に与える影響を海外も見守っている。ニューヨーク・シルバークレスト・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、パトリック・チョバニック氏は、CNNテレビに出演し、「MERSが景気に与える影響は、韓国政府が感染拡大を抑えられるという信頼感を与えることができるかにかかっている。そうした信頼が形成されなければ、(現在のショックは)まだ序の口だ」と警告した。

アン・ジュンヒョン記者
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