災害現場での対応を想定したロボットコンテストで優勝した韓国科学技術院(KAIST)の人間型ロボット「ヒューボ(HUBO)」が、10月に京畿道高陽市のKINTEXで米国トップクラスのロボットと再び対戦する。
今月6日までの2日間、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の主催によりカリフォルニア州ポモナで開かれた「DARPAロボティクス・チャレンジ」(DRC)では、ヒューボが優勝し、米フロリダの大学などで作る研究機関IHMCの「ランニング・マン」が2位、米カーネギーメロン大の「タータン・レスキュー」が3位に入った。
ヒューボを開発したKAISTの呉俊鎬(オ・ジュンホ)教授(機械工学)は8日「ロボットに対する関心を高めるため、1-3位のチームは各国をめぐりDRCと同様の競技会を行うことになっている」と伝えた。韓国では10月28日から31日にかけてKINTEXで開かれるロボット展示会「ロボワールド」の会場で競技会を行う予定だ。ロボワールドにはすでにヒューボ、ランニング・マン、タータン・レスキューの参加が確定している。DRCで使用したコース、装置、車両などをそのまま韓国に持ち込んで対戦する予定だ。DARPAは日本やドイツなどのDRC出場チームとも参加を協議している。
ヒューボは来年6月にかけ、米ホワイトハウスや日本のロボットイベント、スペインで開かれる災害救助ロボットのコンテストなどにも参加する。呉教授は「韓国製ロボットの優秀さを世界にアピールするチャンスになる」と話している。
DRCなどを機に韓国製ロボットへの関心が高まることで、実際の輸出にもつながると期待される。「トルマン」というロボットでDRCに参加したロボット企業のロボティスには、すでに国内外の6社・機関から購入オファーが舞い込んでいる。ロボティスのハ・インヨン副社長は「アリゾナ大やドイツの大学のほか、韓国の企業や研究所も研究用にトルマンの購入を決めた」と話している。価格は1台26万ドル(約3200万円)に達する。
1台50万ドル(約6200万円)とやや高額なヒューボにも、米国の複数の大学が関心を示している。呉教授は「正当な価格で販売すれば、韓国の技術が世界で利用されるという良い効果が生まれるだろう」と期待を寄せている。