韓国で中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者が87人に達する中、MERSに打ち勝ち退院した患者もいる。今月5日に初めて退院した男性(63)に続き、8日に退院したAさん(50)は、ソウル市江東区の「365ソウル・ヨルリン(開かれた)医院」に勤務する医師だ。
韓国で5番目のMERS感染者だったAさんは「MERSに対して漠然と、かつ過度に恐怖心を持たないでほしい。素早い診断を受け治療すれば完治できる」と話した。
先月17日、第1号の患者(68)を診察していてMERSに感染したAさんは8日午後、ゴム手袋とマスクを着け、ソウル市竜山区の大韓医師協会に姿を見せた。Aさんは14日間の闘病生活を踏まえて「最も重要なことは早期の診断だ。2009年に新型インフルエンザが流行したときも、多くの人が亡くなったが、早期の治療を行えば難なく完治できた。MERSもまた、素早い診断を受ければ、健康な人ならば完治できる」と話した。
自ら経験したMERSの症状についてAさんは「咳が出ることはなく、呼吸困難に陥ることもなかったが、足の筋肉痛や消化不良などの症状が表れた。熱は39-40度まで上がったが、治療を始めて5日目からは熱も下がり、かなり回復してきて、1週間前からは特に症状もなかった」と語った。