文章を書くっておもしろい。
その人と会って話をするよりも、価値観や考え方の本質が表れるし、どれだけ取り繕っても隠せるものではない。
このブログも当初は「ウケることを書こう!」「バズりたい!」みたいな気持ちが先行した時期もあったが、一年ちょっとぐらい極端に書き続けていると、どんどん心が静かになってくる。
参考:年間1,500本のブログを書き、1,000本捨てた人が考える「自分メディア」の価値
ときには、一記事だけでとんでもないアクセス(PV)を稼ぐこともあれば、なーーんにもリアクションがない日もある。そして好意的なコメントばかりのときもあれば、「バカ」「つまらんヤツ」ばかりのときもあって、それなりに耐性がついてくる。
さて、「ブログ論」みたいなものが定期的に注目される。
ブロガーの、ブロガーによる、ブロガーのための記事はそれなりに需要があり、タイミングと内容さえ良ければアクセスを稼ぐことになる。
「ブログを書く目的」は人それぞれで良いはずだが、自分とは違う思想の持ち主に対して噛み付く人がいたり、逆に”神”を崇めるかのごとく受け取ってしまったり…なんとなく荒れる。
なぜなんだろう。
ブログを書く目的
ブログを書く目的は、大きく3つに分かれる気がする。
バッチリ分かれるというよりは、ほとんどの人が3つの要素を少しずつ持ちあわせており、境界線が曖昧ではあるが、あらためて考えてみた。
1.思考の整理と記録
日記
雑記
思考ログ
まずは思考の整理と、個人としての記録だ。
「何かを考えずには生きていけない」ような人も存在して、日々のモヤモヤを文章化して整理していくことで、非常にスッキリする。
そして、それがそのまま記録にもなる。
記録を残すことによって、自分自身の備忘録になったり、知人への生存報告になったり、運が良ければ”共感者”という形でファンができる。
「書き手(ブロガー)」の色がハッキリとでるものの、認知度の低い個人が人を集めようと思えば、文章が相当おもしろくなければ集まらないという側面もある。
参考:「すぐに有名ブロガーに!」と考えた人からネット弁慶になり、無個性になる。
2.ブランディング
セルフブランディング
社長ブログ
芸能人ブログ
このあたりは、「仕事につなげる」という目的がハッキリしている。
自分の強みを把握してマーケットをつかみ、ソーシャルメディアでの看板となる「キーワード」がハッキリすれば、人は集まりやすい。
元々は知名度がなくても「日本初の◯◯評論家」みたいなことで地道に活動したり、知名度が獲得できれば「◯◯の商品をリリースしました」「セミナーをやります」といえば販促につなげられる。
うまくやれば、どこかのメディアでライターとして活動を広げることもできる。
参考:ウェブライターを夢で終わらせないために。ブログを書き続けること
3.お金を稼ぐ
プロブロガー
アフィリエイト
メディア
ここも「サイトから収入を得たい」という目的が明確だ。
サイト運営やインターネットが好きな人にとって、自宅で仕事をしながら、それで収入を稼げたら理想的かもしれない。
これをするにはSEO・プログラムを含めたサイト運営の知識をしっかりと持っておく必要があるし、「サイトのテーマ(キーワード)」をハッキリと決めて運営していく必要がある。
テーマ(キーワード)がバラつくサイトにはGoogle botに評価されにくく、人も集まりにくい。そしてGoogleアドセンスなどで表示される広告も、報酬単価の低いものになりがちだからだ。
参考:「怒ったことほどお金になる」はあちゅう氏が話す、好きなことを仕事にするメリットに笑った!
「多くの人に読んで欲しい」という想い
さぁここで問題。ブログを書く目的は人によってバラバラだった。
しかし、個人の日記だとしても、「多くの人に読んで欲しい」という想いが沸き起こってくる。”承認欲求”として揶揄されがちなことだが、これは当たり前のことだ。
読者の存在を無視するのであれば、手書きノートかEvernoteにでも書いておけばいいのである。
いつの間にか目的を忘れて「多くの人に読んで欲しい」という気持ちが先行すると、PVが伸びない… ソーシャルで拡散されない… はてなブックマークがつかない… などの理由で簡単に止めてしまうようになる。
参考:ブログで育てるのはPVよりも「影響力」:メディアには「人格」が宿る
手段(テクニック)を学びすぎることも、継続を困難にする
「多くの人に読んで欲しい」という想いが継続を複雑にする。
「月間◯◯万PV」の看板を掲げる有名ブロガーのテクニックを研究したり、「◯◯万PVになるまでにやった10のこと」のような記事を読み込んで、自分のブログに取り入れていく。
ブログを書く目的はバラバラだったハズだ。
しかしそれが「手段(テクニック」の段階になると、ハウツーでめちゃくちゃになっていくのだ。
もしテクニックを学びたいのであれば、「月間◯◯万PV」の看板を盲信したり、知名度だけに引っ張られるのではなく、自分と運営目的が同じだと思われるサイトと、書き手(ブロガー)さんのやり方を研究すればいい。
でも、人の実績や手段はあくまで”材料”であり、影響されすぎるようなら見ないほうがいい。
参考:ブログには好きなことを書く。やることは「成長」であって「迎合」ではない。
「好きだから」ただ、それだけの理由
ここまで書いて、自分がブログを書く目的は何なのか?を考えてみた。
「思考の整理と記録」「ブランディング」「お金を稼ぐ」のどれなのか? 明確に「コレ!」というよりは、すべて少しずつはあるのが正直なところだった。
でも釈然としない。
もっと根源的なところまで掘り下げてみると、「好きだから」しかない。
そう、毎日文章を書いて整理し、発信することが好きで、人に届く瞬間が好きなのだ。
根源的なところはそれしかなく、あとのことは二次的なことだ。
確かに広く読んでもらえれば嬉しいし、鳴かず飛ばずなら凹むこともある。
でも「ウケること、バズることを書こう」とは思わない。
そんなことに毎日影響されていれば消耗してしまい、結果的に継続ができなくなるからだ。
一般的に言われる「ブログを書く目的」とか、本当はどうでもいいんじゃないか。
「好きだから」「自分の知識を人に届けたいから」そんな根源的な欲求を見つめてみれば、もっと大事な目的が見つかるかもしれない。
*世の中には見てくれている方がいるもので、運良くお仕事につながっています。
参考:【告知】新メディア ”kakeru” で「小林トシノリの一刀両断お悩み相談」が始まりました!
ミラクリから一言
根源的な何か。