靴から家具、化粧品、クルマまで、中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」は、あらゆるものを売っている。今そこに新たなカテゴリーが加わった。それは、不良債権だ。
不良債権を管理するために設立された中国国有の中国信達資産管理(チャイナ・シンダ・アセット・マネジメント) は6月末、額面40億元(約810億円)の不良債権をタオバオでオークションにかける。その不良債権には、倒産した工場や使われなくなった鉱山といった担保がついている。
銀行が抱える不良債権は3年前の2倍に
景気減速にともない、不良債権が膨らんでいる。この斬新な手法によって、中国はその一部を処分できるかもしれない。
中国の銀行が抱える不良債権は今年3月末、9820億元(約20兆円)に達した。これは3年前の2倍以上に相当する。報道によれば、不良債権は銀行の総資産のわずか1.4%程度を占めるに過ぎないとされるが、銀行がその不良債権を信達やその他3社の資産管理会社(AMC)に転嫁していなければ、その割合はもっと高くなっていただろう。
15年前に設立されたAMCは当初、銀行のバランスシートを“きれいにする”ための急場しのぎの方法とされた。当時、銀行資産の約4分の1を不良債権が占めていた。AMCは額面の多くを回収しようと奮闘した。その後、経済成長が加速するにつれて、不良債権の資産価値が増した(例えば、潰れた工場は貴重な不動産になった)。そのため、AMC自身の価値も上昇していった。
最近になって、景気下降局面に入ると、AMCは利益を生み出すかもしれない不良債権を探し始めた。信達が2014年、銀行だけでなく不動産開発業者や製造業者から購入した不良債権は、2013年比6割増しの約1495億元(約3兆円)に及んだ。現在、それを高値で買ってくれる買い手を探したり、構造改革を施して価値を増すことで、資金を回収しようとしている。