JR北:青函トンネル特急発煙…不適切スイッチ操作が原因
毎日新聞 2015年06月09日 21時34分(最終更新 06月09日 21時36分)
青函トンネルで4月に走行中の特急列車から発煙し乗客124人が避難した事故で、JR北海道は9日、運転前に不適切なスイッチ操作を行ったため、モーターに過剰な電流が流れ配線などを焦がしたとする調査結果を発表した。
同社によると、事故が起きた函館発新青森行き特急「スーパー白鳥34号」(6両編成)は営業運転前、見習運転士の訓練を行っていた。その際、指導役の運転士が訓練のため5号車の「前進指令スイッチ」を切った状態で走行。乗客を乗せて出発する前までには再びスイッチを入れたが、モーターへの電流を制御する「主変換装置」は、進行方向を実際とは逆に認識したという。このため、モーターの回転数を検知する装置が故障していないにもかかわらず、故障と誤認識。基準の約1.4倍の電流が流れ、モーターが過熱し約200度の排気が配線の膜などを焦がした。
訓練マニュアルでも、スイッチを切り替えるタイミングについて明確に規定されておらず、記者会見した西野史尚副社長は「メーカーも我々も今回のような事態は想定していなかった。検証が不足していた」と陳謝した。今後は、主変換装置が故障と認識した際にはモーターへの電流を遮断するよう、同じシステムを持つ14両を6月末までに改修する。
一方、事故の際、全乗客が避難を終えるのに5時間以上かかったことを受け、避難方法などを定めたマニュアルを7月末をめどに改定する。1988年に青函トンネルが開通して以来、乗客が避難する事故は初めてだった。【小川祐希、山下智恵】