Updated: Tokyo  2015/06/08 22:20  |  New York  2015/06/08 09:20  |  London  2015/06/08 14:20
 

1-3月期実質GDPは年率3.9%増に上方修正-予想上回る

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  (ブルームバーグ):1-3月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で、前期比年率3.9%増と速報値(2.4%増)から上方修正された。市場予想も上回った。設備投資が大きく上方修正されたことが全体を押し上げた。

内閣府が8日発表したこの期間のGDP改定値は、前期比1.0%増と速報値(0.6%増)から上方修正。ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値では前期比0.7%増、年率2.8%増が見込まれていた。

需要項目別では、1日公表された法人企業統計の内容を加味した結果、設備投資が同2.7%増と、速報(0.4%増)から大幅に引き上げられた。在庫のGDP全体に対する寄与度はプラス0.6ポイントと速報(プラス0.5ポイント)から小幅上方修正された。

GDPの約6割を占める個人消費は同0.4%増と速報と同じだった。公共投資は同1.5%減と速報値(1.4%減)から若干の下方修正。輸出から輸入を差し引いた純輸出(外需)の寄与度はマイナス0.2ポイントと速報値と同じだった。

1-3月の法人企業統計では、設備投資(除くソフトウェア)が前年比8.1%増と市場予想(2.0%増)を大幅に上回った。法人企業統計を受けて設備投資は大幅に上方修正され、成長率全体に対する寄与度もプラス0.1ポイントからプラス0.4ポイントに高まった。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「今回の改定値では、在庫上振れは必ずしもポジティブに評価できないが、設備投資の上方修正については前向きに評価してよいだろう」と指摘。「法人企業統計をみると、設備投資は製造業というよりも非製造業が強く、どちらかといえば消費関連業種の設備投資が好調だ」としている。

4-6月は減速か

GDP統計では、名目成長率も前期比2.3%増、年率9.4%増と、一次速報(それぞれ1.9%増、7.7%増)から上方修正され、現行基準で比較可能な1994年以降で最も高い伸びとなった。

ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは発表後のリポートで、「内需では設備投資にようやく明るさが見えてきたものの、柱である個人消費は4月の家計調査などを見る限り弱めの動きが続いている」と指摘。「4-6月期も景気持ち直しが続くが、強かった1-3月期の反動もあり、成長率自体は減速するだろう」としている。

日銀は4月22日開いた金融政策決定会合で、景気は「緩やかな回復を続けている」として、「基調」を取って判断を前進させた。黒田東彦総裁は会合後の会見で、「物価の基調が変化し必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく調整することに変わりないが 、今後着実に改善すると思っているので、追加策を具体的に考えてはいない」と述べた。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 持田譲二

更新日時: 2015/06/08 10:29 JST

 
 
 
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